研究課題
教師ラベルの少ないマルチモーダル脳イメージングデータに対して有効な、自己教師あり学習による特徴量構築法の開発を目的とし、本年度は、以下の3つの課題に取り組んだ。第一に、昨年度に開発した脳情報転移学習法TSMNetをマルチモーダルデータに拡張する研究を行った。具体的には、EEG-fMRI同時計測データの時間的対応関係を利用した自己教師あり学習により、両者に共通して表現されている情報を抽出することを目指して、DeepGeoCCAという機械学習法を開発した。この手法は、深層学習を利用した非線形フィルタリングと、脳イメージングデータの統計的性質に則した幾何学的アプローチを組み合わせることにより、正準相関分析 (CCA) を拡張したものである。さらに、応用上問題となる、異なる被験者やセッションでのドメイン間差を較正するために、脳情報転移学習法TSMNetを組み込んだ。DeepGeoCCAを作業記憶課題中のEEG-fMRI同時計測の、同一被験者・セッションのデータに適用したところ、高い相関を持つ共通特徴量が得られ、認知負荷度の判別問題で高い精度を達成した。さらに、異なるセッションや被験者に対しても、我々のアプローチは汎化性を持つことを示した。この成果は、人工知能のトップ会議ICLR2024、および脳イメージングの国際学会OHBM2024で発表予定である。第二に、fMRIのような3次元データと、EEGのような時系列データを情報統合するためのベンチマークデータCityReferを構築した。本成果論文は人工知能のトップ会議NeurIPS2023に採択された。第三に、異なるシーケンスで撮像された複数MRIスキャナのfMRIデータの統計的性質を比較した。データ間の統計的性質の差異をうまく較正することで、複数のデータベースを統合して、より精度の高い解析が可能となることが期待できる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
Proceedings of the Twelfth International Conference on Learning Representations (ICLR2024)
巻: - ページ: accepted
Advances in Neural Information Processing Systems 36 (NeurIPS 2023)
巻: 36 ページ: 77758--77770