研究課題/領域番号 |
21H03526
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
多田 充徳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (70392628)
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研究分担者 |
遠藤 維 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40599073)
尾形 正泰 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (60783818)
荻原 直道 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70324605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 手 / 把握姿勢 / 姿勢生成 / 筋活動最小化 |
研究実績の概要 |
医用画像に対してセグメンテーションを行い,皮膚表面形状と骨格形状を抽出した.第2から第3中手骨と8個の手根骨は互いに運動しないものと仮定し,1つのリンクとしてモデル化することで手モデルを構築した.一方,第1中手骨と14個の指骨については,互いに回転運動をする独立したリンクとしてモデル化した. 関節を解剖学的に正しく決定するために,骨の3次元形状に基づき関節の位置と軸を決定した.具体的には,医用画像から抽出した関節面形状を球面(第2から第5指のMCP関節),円柱側面(母指のIP関節とMCP関節,第2から第5指のDIP関節とPIP関節),そして鞍形状(母指のCMC関節)として近似することで,関節中心と軸を決定した. 皮膚の表面形状についてはスキニングを用いた骨格アニメーション技術により,骨格(リンク構造)の姿勢変化に追従して変形するようモデル化した. 同様に医用画像に対してセグメンテーションを行い,手の運動に関係する筋のうち,手首の運動を制御する筋を除いた37筋を抽出した.ただし,手首付近で分岐する深指屈筋,浅指屈筋,そして総指伸筋については指ごとに異なる筋とみなした.ワイヤ要素を用いて全ての筋の走行をトレースすることで筋構造をモデル化した.また,腱鞘などによる筋の拘束については,骨に対して固定されたワイヤの経由点として表現した.これにより,骨格の姿勢変化に伴うモーメントアームの変化をコンピュータモデルから推定できるようにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度の目標は医用画像からの手モデルの構築であった.当初計画通り,骨格構造,筋構造,そして表面形状を再現した手モデルが構築できている.このため,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度までに手モデルの構築が完了した.令和5年度以降は,これを与えられた物体形状に対する把握姿勢の生成に活用する.具体的には,指先を物体表面に拘束した状態で,把握に伴う筋活動が最小になるような姿勢を探索することで,筋活動の最小化という運動規範に基づく姿勢生成を実現する.
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