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2022 年度 実績報告書

頻発する短時間強雨に対する湿地生態系の応答:突発的メタン放出の定量評価

研究課題

研究課題/領域番号 21H03576
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 けんし  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (10303596)

研究分担者 東 若菜  神戸大学, 農学研究科, 助教 (20780761)
坂部 綾香  京都大学, 白眉センター, 特定助教 (40757936)
伊藤 雅之  兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (70456820)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードメタン / 湿地生態系 / フラックス / 短時間強雨 / レーザー計測
研究実績の概要

本申請課題では、研究目的の達成のために、以下の2つのサブ課題を設けている。
サブ課題1:渓畔湿地の土壌表面および植生からのメタン発生量をリアルタイム計測し、発生量の精密な定量化を試みる。
サブ課題2:土壌試料の化学分析や培養実験、植生の樹液流計測などを通じて、突発的なメタン放出のメカニズムを解明する。
令和4年度のサブ課題1は、滋賀県大津市の国有林内にある観測サイトにおいて、渓畔湿地に自生するハンノキや土壌表面からのメタンフラックスを連続計測した。この計測には、令和3年度に構築し、テスト計測を踏まえたチャンバーシステムを使用した。複数のチャンバーを、プログラミングロガーと電磁弁を用いて制御し、無人で自動計測することに成功した。チャンバーの閉鎖循環時間は10分で設定し、一つのチャンバーごとの測定時間分解能は1時間とした。メタンの高感度検出には、従来型のガスクロマトグラフィーではなく、近赤外レーザーを用いた超長光路吸収分光法によるリアルタイム計測装置を用いた。令和4年度はまた、観測サイトにおける土壌環境や気象要素の測定を開始した。土壌環境の測定として、テンシオメータ―を設置した。
サブ課題2では、渓畔湿地の表層土壌試料を採取し、実験室へ持ち帰った後、嫌気培養実験を実施した。令和3年度に試験的に実施した結果を踏まえ、土壌試料を一定量だけガラスバイアルに密封し、高純度窒素ガスでヘッドスペースを置換し、恒温器内に静置した。温度管理は摂氏20度とした。令和4年度はまた、グラニエセンサーを用いて、ハンノキの樹液流束を計測した。下向き短波放射の変動と樹液流速との対応を精査するため、計測時間分解能は5分とした。これにより、サブ課題1で計測を行っている湿地性樹木の樹皮から発生するメタンフラックスの測定結果と比較し、樹液流のダイナミックな変化がフラックスに与える影響を解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

サブ課題1および2ともに、当初の計画どおりに研究が進んでいる。

今後の研究の推進方策

当初の計画どおりに進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Insights into the mechanism of diurnal variations in methane emission from the stem surfaces of <i>Alnus japonica</i>2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Kenshi、Sakabe Ayaka、Azuma Wakana A.、Itoh Masayuki、Imai Tomoya、Matsumura Yasuki、Tateishi Makiko、Kosugi Yoshiko
    • 雑誌名

      New Phytologist

      巻: 235 ページ: 1757~1766

    • DOI

      10.1111/nph.18283

    • 査読あり
  • [学会発表] 湿地性樹木の樹幹からのメタン放出について-最近の動向および我々の研究-2023

    • 著者名/発表者名
      高橋 けんし, 坂部 綾香,東 若菜,伊藤 雅之,今井 友也, 松村 康生,立石 麻紀子, 小杉 緑子
    • 学会等名
      日本農業気象学会2023年大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Methane emission from the stem surfaces of Alnus japonica2022

    • 著者名/発表者名
      Kenshi Takahashi, Ayaka Sakabe, Wakana A. Azuma, Masayuki Itoh, Tomoya Imai, Yasuki Matsumura, Makiko Tateishi, Yoshiko Kosugi
    • 学会等名
      iLEAPS Japan meeting
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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