研究課題/領域番号 |
21H03588
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
瀬川 高弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (90425835)
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研究分担者 |
竹内 望 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30353452)
森 宙史 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 准教授 (40610837)
米澤 隆弘 東京農業大学, 農学部, 准教授 (90508566)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アイスコア / シアノバクテリア / 古代DNA |
研究実績の概要 |
寒冷環境に適応した特殊なシアノバクテリアが氷河上で増殖し、雪氷表面を暗色化することが、現在世界各地で進む氷河縮小の大きな要因となっている。低温環境のためDNAが高度に保存されているアイスコア試料から古代 DNAを解析することで、最終氷期以降の気候変動に対するシアノバクテリアの群集構造や集団動態を解明することを目的としている。 中央アジアキルギス天山から掘削されたアイスコア試料を用いてDNA分析をおこなった。アイスコア中に含まれる微生物は極めて少なく、また非常に短く断片化しているため、本アイスコア試料の微量・短鎖DNAに特化したDNA抽出手法の確立をおこなった。コンタミネーションを防ぐためにクリーンルーム内にてDNA分析をおこなった。アイスコア試料表面に付着した微生物の混入を防ぐため、これまで独自に開発したアイスコア融解装置を用いて、アイスコア試料内部のみを無菌的に採取した。無菌的に採取したアイスコア内部の試料から、考案したDNA抽出手法を用いてDNA抽出をおこなった。 16S rRNA遺伝子やITS2領域に対してPCR増幅をおこない、次世代シークエンサーを用いて塩基配列の取得をおこなった。また、ネガティブコントロール(ブランクテスト)からの分析を同時に行うことで、分析の過程でコンタミネーションが起きていないかのチェックをおこない、アイスコア試料から解読した塩基配列の信頼性の確認をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アイスコア中の断片化した微量DNAを解析する技術の開発を進め、とりわけコンタミネーションを抑えながら高収率なDNA抽出手法の実験や、古代DNA配列からの系統組成と遺伝子機能組成を推定するための先端的プロトコールの確立を重点的におこなった。 クリーンルーム内にてアイスコア試料内部のみを無菌的に採取した。構築したDNA抽出手法を用いて、アイスコアから無菌的にDNA抽出をおこなった。16S rRNA遺伝子やITS2領域をPCR増幅して、次世代シークエンサーによる塩基配列の取得をおこなった。現在、得られた塩基配列のデータから情報解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
中央アジアキルギス天山から掘削されたアイスコア試料を用いて、最終氷期以降を主要な分析範囲年代として、約10サンプルの時系列試料からDNA解析をおこなう。アイスコア試料表面に付着した微生物の混入を防ぐため、これまで独自に開発したアイスコア融解装置を用いて、クリーンルームにてアイスコア試料内部のみを無菌的に採取する。アイスコア中に含まれる微生物は極めて少なく、また非常に短く断片化しているため、市販試薬によるDNA抽出が困難である。そのため微量・短鎖DNAに特化した手法でアイスコアからDNA抽出をおこない、16S rRNA遺伝子やITS2領域のPCR増幅およびショットガンメタゲノムライブラリーの作成をおこない、イルミナ社の次世代シークエンサーを用いてゲノム配列の取得をおこなう。シークエンスした古代メタゲノム配列データを、高速に配列類似性を検索し、近縁な系統及び遺伝子機能の推定を行う。
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