本研究では、「先端光学イメージング技術をもちいて、iPS細胞(および分化細胞)に対する放射線被ばく影響の個人差を調査する技術基盤を確立する」ことを目的として研究開発を行った。第一に、一分子計測法を応用し、放射線被ばく後のDNA構造への影響および活性酸素代謝能を評価する技術を開発した。第二に、ラマン散乱スペクトル計測を基盤として、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)のγ線照射後の変化の差異を評価する技術を確立した。特に、後者の技術では、由来の異なる(人種の異なる)ヒトiPS細胞の放射線被ばく耐性とラマン散乱スペクトルとの相関が確認され、本手法の実用性および有効性が示された。
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