研究課題
近年,海洋などの環境中のマイクロプラスチック樹脂に関わる報告が急増し,その原因となるプラ樹脂廃棄物投棄の問題,それによる生体・健康影響への関心が高まっている。しかし,気圏・水圏・地圏の相互依存性を考えれば,地表から大気への粒子輸送,微細プラ樹脂粒子の気圏・水圏相互輸送が存在すると考えられるにも関わらず,その実態に関する情報は極めて限定されている。一方で,プラ樹脂が大量に野焼きされる途上国では,大気中には「プラ樹脂燃焼由来成分を含む微小粒子・ナノ粒子」や「プラ樹脂未燃粒子」などが大量に浮遊している状況が推察される。燃焼生成物を含むプラ樹脂由来粒子の存在状態を明らかにしなければ,プラ樹脂由来粒子による環境汚染の全体像を把握してその環境・健康リスクを議論し,適切な対応を講じるのは難しい。従って,存在状態とその由来を特定するための手法の確立とそれによる実態の把握は急務である。本研究では大気中のナノ粒子に着目し,プラスチック由来成分の影響を評価する手法を確立することを目的とし,実験と分析を試行してきた。2年目は1年目に引き続き,プラスチック樹脂のラボ燃焼実験に基づいて,様々な燃焼条件下で発生するプラスチック燃焼起源粒子の特性を明らかにすることを目的として,いくつかのプラスチック燃焼生成粒子中のマーカー成分組成を確認し,東南アジアの既存大気粒子試料中のマーカー成分を分析・比較しプラスチック燃焼の影響を検討した。次年度にはプラスチックマーカー成分の検討と分析を進め,プラスチックに由来する環境ナノ粒子の挙動,とりわけバイオマスとの混焼や大気中のガス状成分との反応に由来する変化を議論する予定であったが,研究代表者が別プロジェクトに全エフォートを投入することになり,研究代表者の交代が認められなかったため,別プロジェクトの中で部分的に課題内容を継続するとともに,新規予算申請を行うことにした。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 13件、 招待講演 1件)
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