研究実績の概要 |
代替フロンとして最も使用されているジフルオロメタン(HFC32、R32)は温暖化係数が高く、今後大量に排出されることが懸念される。特に、R32は分子サイズが窒素(N2)分子や酸素(O2)分子と極めて近いため空気(N2、O2)と分離することが難しく、回収された場合も破壊処理される。本研究ではN2、O2とメタン(CH4)等の気体分子と細孔サイズが近く、小分子を高精度に分離可能なゼオライト膜を用い、ゼオライトが持つ分子篩の機能とR32とN2、O2分子とのゼオライト膜の吸着エネルギーの差による新たなR32を分離回収する技術を開発する事を目的とする。 窒素や酸素、メタン、二酸化炭素等の気体を分離する技術としてゼオライトの細孔径の大きさで分離する分子篩機構を利用するゼオライト膜の開発が行われている。特に、気体分子サイズの細孔を有する酸素八員環ゼオライト膜であるCHA型ゼオライト膜(SAPO-34膜, SSZ-13膜)、DDR型ゼオライト膜は高い分離性能である事が報告されている。 本年度はR32とN2、O2を高精度に分離可能なアルミ含有ZSM-58膜を開発し、さらにZSM-58細孔内のエネルギーポテンシャルを用いることで、R32とN2、O2を分離可能かを検討した。
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