研究課題/領域番号 |
21H03674
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岩崎 えり奈 上智大学, 外国語学部, 教授 (20436744)
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研究分担者 |
長澤 榮治 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (00272493)
柏木 健一 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00447236)
濱 侃 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (10851579)
佐藤 政良 筑波大学, 生命環境系, 名誉教授 (70021722)
松岡 延浩 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (80212215)
吉田 修一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90355595)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 地下水 / オアシス / 塩害 / 沙漠 / エジプト |
研究実績の概要 |
本研究では、エジプト西部砂漠(リビア砂漠)のダハラ・オアシスを事例に、オアシスにおける排水と塩湖の体系を明らかにすることを目的とし、①地下水の揚水から用水、灌漑、排水、土壌浸透という水・塩の物理的な循環、②誰がどのように揚水・用水・灌漑・排水しているのかという社会的な循環を明らかにする。それによって、地下水資源の問題を単に資源の量の問題や資源の反作用の問題に還元するのではなく、その非経済的側面を含めて総合的に理解する枠組みの構築を目指す。 そのための具体的研究作業としては、①水塩収支班がオアシス地域内の水塩の動きを、②圃場観測班が圃場における水塩の動きを、③生活・社会班が水塩循環に関わる人(農家、農企業、灌漑局等)の関係性を担当する。そして、調査村において、1年目から2年目にかけて現地調査や観測、現地での実験により実態把握とデータ収集を行うことを目的とし、初年度の2021年度には、以下の研究作業を行うことを予定していた。①水塩収支班は1年目に国立リモートセンシング空間科学研究所のBastawesy教授と共同し、比抵抗探査を行うとともに、用水路網と排水路網に関する情報収集を行うこと。②圃場観測班は、実験圃場において、灌漑水量と土壌水分量を計測すること。③生活・社会班は農民と水番人に対する聞き取り調査を行うこと。以上の研究活動のうち、①の比抵抗探査をダハラ・オアシスの北西部において行うとともに、現地調査を行い、ダハラ・オアシスのカラムーン塩水湖の流域となる灌漑区域の水路と排水路情報を収集した。②については、ダハラ・オアシスのラシュダ村の灌漑区域における実験圃場を調査し、土壌水分量を調べた。③については、同じくダハラ・オアシスのラシュダ村の灌漑区域において水番人役を勤める農民に聞き取り調査を行った。また、浅井戸を利用する農家や農企業、村役場長などにも聞取り調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、コロナ禍の影響により、エジプトでの現地調査を思ったとおりに行うことができず、翌2022年度に予算を繰り越した。そのおかげで、2022年7月にエジプトのダハラ・オアシスにおいて現地調査を行うほか、エジプト人研究者との意見交換を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においてはエジプト西部砂漠オアシスにおける現地調査が不可欠であるが、日本人研究者が現地に赴くことができない場合は、エジプト人共同研究者が情報データ収集に努めるなどの連携強化に努める。
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