• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

欧州におけるルーラルツーリズムの推進組織と日本への応用可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H03721
研究機関帝京大学

研究代表者

五艘 みどり  帝京大学, 経済学部, 准教授 (00508608)

研究分担者 國井 大輔  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (00599954)
平形 和世  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (40415633)
山田 耕生  千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (70350296)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードルーラルツーリズム / イタリア / オーストリア / フランス / 農村 / 推進組織 / 持続性 / 欧州諸国
研究実績の概要

2022年度は8-9月に、ルーラルツーリズム推進組織の仕組みやコロナ禍での役割を明確にするため、イタリア(南チロル県)とオーストリア(ザルツブルグ、ウィーン)で現地調査を実施した。また2023年度に予定するフランス調査の対象機関と地域を選定するため、3月にフランス農業祭への参加と、フランシュ・コンテ地域とウール・エ・ロワール県で事前調査を行った。さらに、2021年度に延期した国内調査として岩手県八幡平市での調査も実施した。

イタリアとオーストリアでの調査では、ルーラルツーリズム推進組織とその支援を受ける農家へインタビューを実施した。調査結果はとりまとめの段階だが、現時点では両推進組織はともに、コロナ禍という背景において、①各種補助金の相談や申請を支援、②ルーラルツーリズム参入のため用意された多様なセミナーをオンライン化、③リモートワーカーの増加を受けアパートメントタイプへの改修を促進、といったことを迅速に実施したことが明らかになった。また、オーストリアの推進組織は、組織間の繋がりにおいて国・中央・地域といった垂直的連携、農村研修所・農業会議所・観光協会といった地域内の水平的連携がなされており、ルーラルツーリズム参入農家への支援をより実行的にしているということもわかった。

フランスでの調査ではフランス農業祭に行き、自治体やルーラルツーリズム推進組織のブースを回り、組織の取り組みや研究での連携について聞き取りをした。また、フランシュ・コンテ地域とウール・エ・ロワール県へ行き、地域のルーラルツーリズム推進組織と、支援を受ける農家へインタビューを実施した。調査結果はとりまとめの段階であるが、農業の大規模化の影で苦しむ小規模農家の収入をルーラルツーリズムが支えている点や、コロナ禍の都市住民による農村移住がルーラルツーリズム推進組織の新たな課題になっている点などが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス問題が収束傾向で海外への渡航が通常化し、海外調査が円滑に実施できるようになったことで、調査が計画通り進むようになった。しかしながら、現段階はおおむね順調に進展しているものの、ウクライナ問題の長期化で物価高騰や航路の変更は今度も続くと考えられ、2023年は場合によって調査期間や調査時期の変更が起こる可能性もあると考えている。

今後の研究の推進方策

2023年度は、8-9月にフランスのルーラルツーリズム推進組織と支援農家へのインタビューを実施予定である。2022年度3月の実行可能性調査を受け調査機関をBienvenue a la ferme、Gito de Frane、Accueil Paysanとし、調査地域は条件不利の山間部のアルデシュ県などで検討している。

また2022年度に調査を実施したオーストリア・ファームホリデー協会には調査連携の同意を得ており、2023年度にルーラルツーリズム推進農家へのアンケート調査の実施を計画している。

本年度は調査の最終年度であり、すべての調査結果を分析し欧州におけるルーラルツーリズムの推進組織と日本への応用可能性について取りまとめる予定である。これらの成果は日本観光研究学会の観光研究への論文投稿や、同学会の企画ワークショップの主催による成果発表などで行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 個人旅行客の受け入れを主とした農泊の特徴と課題-日本とイタリアの農泊の比較を通して2022

    • 著者名/発表者名
      山田耕生
    • 雑誌名

      千葉商大論叢

      巻: 60(2) ページ: 143,153

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 持続可能な観光指標の意義について―農泊地域による活用可能性―2022

    • 著者名/発表者名
      平形和世
    • 雑誌名

      農林水産政策研究所・ICTプロジェクト【農泊】研究資料

      巻: 2 ページ: 101,121

  • [雑誌論文] イタリアにおけるアグリツーリズムについて―動向・制度的枠組み―2022

    • 著者名/発表者名
      平形和世・國井大輔・須田文明
    • 雑誌名

      農林水産政策研究所・ICTプロジェクト【農泊】研究資料

      巻: 2 ページ: 147,161

  • [雑誌論文] フランスにおけるアグリツーリズム2022

    • 著者名/発表者名
      國井大輔・平形和世・須田文明
    • 雑誌名

      農林水産政策研究所・ICTプロジェクト【農泊】研究資料

      巻: 2 ページ: 188,203

  • [図書] 大学的栃木ガイドーこだわりの歩き方2023

    • 著者名/発表者名
      五艘みどり(松村啓子 , 鈴木富之 , 西山弘泰 , 丹羽孝仁 , 渡邊瑛季編)
    • 総ページ数
      380
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812222065

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi