研究課題
本研究では、様々な孔径を有する多孔質ガラスに、低次元構造を有する有機無機ハイブリッド材料を導入した複合材料を作製し、作製した材料について光励起時およびX線励起時における発光特性の評価を行った。まず量子井戸構造を有する(C6H5C2H4NH3)2PbBr4を、およそ4 nm、15 nm、50 nmの孔径を有する多孔質ガラスにそれぞれ導入した複合材料を作製した。合成条件の最適化の結果、4 nmの孔径を有する多孔質ガラスを用いた際は、良好な透明性を有する複合材料の合成に成功したが、孔径が増加するに従って、透明性が減少した。さらに、孔径が増加するに従って、X線励起時の発光量が増加することがわかった。さらに、(C6H5C2H4NH3)2PbBr4にSrやBa等の異種金属元素を添加した2次元有機無機ペロブスカイト型化合物を作製し、その化合物を多孔質ガラスに導入した複合材料を作製した。SrやBa等の添加により、複合材料のX線励起時における発光量が増加することがわかった。SrやBa等の異種金属元素の添加により、2次元有機無機ペロブスカイト型化合物の光励起時の量子収率やX線励起時の発光量が増加することがすでに報告されている。異種金属添加により生じる発光量向上効果が、多孔質ガラスに導入した際にも生じていることが示唆された。加えて、SbBr3やMnBr2等を含む0次元有機無機ハイブリッド化合物を合成した後、多孔質ガラスに導入した複合材料を新たに作製した。その結果、Sb3+やMn2+イオンに由来する発光が複合材料から観測できることがわかった。よって、二次元有機無機ペロブスカイト型化合物だけでなく、多種多様な次元性を有する有機無機ハイブリッド化合物を導入した複合材料の作製が可能であることが明らかとなった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (5件)
Optical Materials
巻: 148 ページ: 114956~114956
10.1016/j.optmat.2024.114956
Journal of Materials Science: Materials in Electronics
巻: 35 ページ: 176
10.1007/s10854-024-11935-8
巻: 149 ページ: 115062~115062
10.1016/j.optmat.2024.115062
Radiation Physics and Chemistry
巻: 216 ページ: 111399~111399
10.1016/j.radphyschem.2023.111399
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms
巻: 549 ページ: 165291~165291
10.1016/j.nimb.2024.165291
Journal of Luminescence
巻: 270 ページ: 120547~120547
10.1016/j.jlumin.2024.120547
Ceramics International
巻: 50 ページ: 14113~14117
10.1016/j.ceramint.2024.01.315
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 63 ページ: 01SP07~01SP07
10.35848/1347-4065/acf4a8
巻: 63 ページ: 01SP17~01SP17
10.35848/1347-4065/acfa09