研究課題
以下の研究を行った。①ビスマス酸化物、ハフニウム酸化物ナノ粒子を数10 %(重量比)まで高濃度に充填しナノ秒発光寿命蛍光体を採用したPLS(溶媒:スチレンまたはビニルトルエン)を光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードの受光素子を持つ検出器に搭載し、KEK PFビームラインBL-14AにてX線入射時の発光量・出力波高分布、時間特性(時間分解能、発光寿命)の測定を行った。それらの結果を9月の応用物理学会で報告、学術雑誌 Nucl. Instr. and Meth.Aへの論文(2件)にまとめ発表した。②並行して、実用十分な高速応答性を発揮しつつ高エネルギーX線領域での検出効率を確保するPLSを製作し、市販シンチレーション検出器に搭載して測定した結果を含め国際会議(IEEE-NS)にて特性の報告を行った。50keV以上の高エネルギーX線領域で検出効率50%以上(厚さ3mm)かつナノ秒高速応答できる実用的なシンチレーション検出器が得られたことになる。開発したPLSの製品としての普及につながる成果である。③シンチレーション光のピクセル分離のためのレーザーによるPLSのピクセル間遮光スクリーンの加工の結果について論文をまとめ学術雑誌(IEEE trans. NS)に投稿した(出版審査中)。今後のピクセルアレイタイプ用PLS開発への基礎となる結果として報告できるはずである。④新型コロナ禍の影響で製作が遅れた広帯域・高S/N比のCMOS-ASICフロントエンド回路チップ(FGATI)を比例モードSi-APDに低エネルギーX線を入射して評価した。チャンネル分離・信号/雑音比などで課題を残したが今後の開発の基礎を得たと考える。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
巻: 1058 ページ: 168884~168884
10.1016/j.nima.2023.168884
巻: 1062 ページ: 169175~169175
10.1016/j.nima.2024.169175