研究課題/領域番号 |
21H03778
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館 |
研究代表者 |
羽田 聡 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部美術室, 室長 (30342968)
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研究分担者 |
近藤 無滴 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部列品管理室, 研究員 (60882454)
三島 貴雄 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, その他部局等, 専門職員 (30817367)
後藤 真 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90507138)
田良島 哲 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (60370996)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 博物館史資料 / 目録化と分析 / デジタルアーカイブ / メタ文化財情報 |
研究実績の概要 |
明治22年(1889)の設置以来、京都国立博物館に蓄積された「博物館史資料」は、3000点を超える。これらの目録化を通じて、文化財に関する来歴や取り扱いなどの事例をより豊かに共有・分析し、あらゆる情報を包含した「メタ文化財情報」としての構築方法を検討する本研究にあって、対面あるいはオンラインでの研究会(2021年6月11日ほか4回実施)により、研究分担者と意見交換を重ねながら、当該年度に得た実績は以下の通りである。 すべての作業の根幹をなす、博物館史資料の整理については、まず、保管場所の確認により全体像を把握したところ、『京都国立博物館百年史』(京都国立博物館、1997年10月)作成時における資料番号付与の有無、件名目録採取の可否により、5タイプに類型化できることが判明した。そのうえで、文化財に関する情報を豊富に収め、とりわけ重要度が高く、デジタル化の最有力候補と判断した『列品録』の件名目録採取とデータ入力を優先的に行った。 さきの作業と並行するかたちで、最終的なメタデータ構築を全く独立したものでなく、汎用性を持たせる観点から、同様の資料を所蔵する奈良国立博物館及び東京国立博物館において、目録化とデジタル化についての現況を調査した(2021年11月2日、同年12月15日)。 これらにより、翌年度以降に本格化させる、文化財情報を含む資料のデジタル化と、包含する情報との関連付けを効率的に進めることが可能になった。なお、成果として、研究代表者は文化財の搬出入に関わる履歴を利用し、「本法寺所蔵「古文書貼交屏風」について」と題する講演を行い(2022年2月19日、京都国立博物館)、博物館史資料の存在と有用性を一般に周知した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ入力を行う作業員の採用を当初、2名予定していたが、新型コロナウィルス感染症の流行により、1名に留まったことをうけ、目録化に若干の支障を生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に、研究の素材となる資料を外部機関への調査に求める課題ではないので、データ入力を行う作業員の問題を解決し、進捗がこれ以上遅れるこのないように努力する。あわせて、現状の成果と問題点について、より学問的な立場から共有化を図るため、学会発表を目指す。
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