研究課題
動脈硬化症の診断法の開発を目的とし、血流依存性血管拡張(FMD)反応を利用し、血流の駆血・開放後に血流のずり応力の増大によって内皮が産生した一酸化窒素(NO)によって、動脈壁の中膜が弛緩して柔らかくなり、その後また元に戻る一連の様子を、応力―歪み特性として非侵襲で計測する超音波計測システムを新たに開発する。その上で、内皮の障害の程度を非常に敏感に診断することの可能性を示すことによって、従来不可能であった、動脈硬化症の極早期段階における診断法として確立することを目指す。本研究では、研究代表者らが開発した、血圧と血管径を同位置で同時に計測可能な超音波プローブを用いる。超音波プローブにより血圧波形を計測するためには、プローブを皮膚に押しつけ、血管を潰す必要がある。しかし、押し付ける圧力(押圧)により、計測される血圧波形、内径変化が異なり、得られる弾性率が異なる。今年度は、弾性率の推定精度向上を目的とし、超音波による血圧計測のための管内圧・プローブ押圧と管断面形状との間の関係をファントム実験系で検討した。シリコーンゴムチューブの周りをウレタンファントムで覆い皮下組織を模し、ファントムの下側を、橈骨を模したアクリルブロックで支えた。ファントムの下流側に圧力センサを設置し,内圧 を計測した。開発プローブの圧電素子を用いた圧力計測では, 圧力の時間変化しか計測できない。そこで、プローブの側壁中心に圧力センサを取り付け,圧力を計測した.また,圧力センサによりプローブ表面が体表に加える平均押圧を計測した.その結果、内圧が高いほど、トノメトリ法の原理により内圧が求められるときの 血管断面の扁平率が小さくなった。この扁平率と圧電素子で計測される圧力の間の関係を求めることにより、血圧推定が可能となる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
https://www.ecei.tohoku.ac.jp/~hkanai/index.html
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