研究課題/領域番号 |
21H03839
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中根 和昭 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (10298804)
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研究分担者 |
山本 浩文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30322184)
横山 雄起 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60615714)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ホモロジー / クロマチンパターン / 細胞診断 / 遠隔診断 |
研究実績の概要 |
診断方針を定める際、細胞診断は必須の検査である。細胞診断は、細胞検査士などの専門家による主観的な判断が大きく影響し、客観的な指標による均一化が急務の課題となっている。特に「クロマチンパターン」という主な診断基準は複雑であり、細胞検査士には長期間の訓練が必要である。この問題に対応するため、自動診断支援技術の開発が進められていますが、クロマチンが細胞核内に3次元的にランダムに分布しているため、深度情報の解析も必須であり、AIによる画像処理技術の実用化は困難である。
一方、ホモロジーとは図形の接触を定量化する数理的な概念で、近年では病理画像など複雑な画像の解析法としての有効性が認識されている。今回、この考え方を発展させた「ホモロジー・プロファイル法」を用いて、肺細胞の核クロマチンパターンを定量化し、その数値を基に肺癌の組織型を分類する試みを行った。この期間、小細胞癌・腺癌・扁平上皮癌といった癌種の区別において良好な結果が得られた。これは治療薬の選択に客観性をもたらし、癌治療の均一化に寄与するものと考えられる。特に、40倍の拡大画像でも解析が可能であるため、油浸を行う必要がなく、臨床現場での応用が期待される。
さらに、この手法はホモロジーの位相不変性を利用して、焦点面からずれたクロマチンを3次元的に評価することが可能であることを明らかにした。これにより、これまで光学顕微鏡では解析が困難とされていたクロマチンの凝集を観察できるようになった。この技術は、抗がん剤の薬効を画像から評価する新たな手法開発の先駆けとなる可能性がある。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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