研究課題
本研究では,大量の正常コンピュータ断層撮影(CT)画像を用いて学習された深層学習モデルの一つであるVariational Autoencoder (VAE)を用いたモデルによる異常検知を基盤として,異常病変の診断支援を実行するコンピュータ支援診(Computer-aided Diagnosis:CAD)システムを構築することを目的とする.本研究では、関連病院のMIクリニックから入手した8万例のPET/CTのDICOM画像とその所見レポートを既にデータベース化した.これらの画像を用いて,人工知能画像診断学共同研究講座(研究代表者・木戸),山口大学(研究分担者・間普,平野),九州工業大学(研究分担者・神谷),立命館大学(中山),藤田医科大学(寺本)らと共同研究を実施している.各研究者の現時点での研究内容は,木戸(自然言語処理を用いた読影所見レポートの部位別自動分類、PET/CT画像からのVision Transformerを用いた病変検出),間普・平野(自然言語処理を用いたシソーラスに着目した読影所見レポートの分類),神谷(言語情報を用いた肺癌のradiomics解析),中山(胸部CT画像を用いた教師無し異常検知AIの開発),寺本(腹部臓器のセマンティックセグメンテーション)などである.腹部臓器の自動セグメンテーションに関しては国際学会に発表をおこなっており,自然言語処理を用いた所見レポートの部位別自動分類に関して英文論文が採択されている.また多数の国際・国内学会での発表をおこなっている.
2: おおむね順調に進展している
国際学会や国内学会での発表や論文の投稿や採択などが順調におこなわれている.
現在,本研究ではMIクリニックの画像症例データとそれに対する所見レポートデータ8万例をデータベース化して用いている.今後は日本医用画像データペース(J-MID)の100万症例の画像と所見レポートのデータを使用した研究に発展させる予定である.大量の画像データを用いた処理を、現在の研究室のGPUを用いておこなっているが、データ数の増大や処理の複雑化にともない、さらに大規模な計算が必要となる。この対策として、大阪大学が保有しているスーパーコンピュータのSQUIDを用いた計算をおこなうことを予定している.現在のところ、画像症例と所見レポートは直接紐付けられていないが、これらの紐付けを検討している.画像症例とレポートが紐付けされることにより、マルチモーダル学習へと研究を発展させることを予定している.現在既に、腹部領域の異常検知をおこなうことを目的として所見レポートデータを用いた表現学習の研究を開始している.
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 3件)
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