研究課題/領域番号 |
21H03856
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
新井田 孝裕 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (30222730)
|
研究分担者 |
内川 義和 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (10331159)
佐藤 司 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (20782444)
下井 俊典 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (30364649)
冨永 渉 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (30711642)
石坂 正大 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60734621)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 視機能の動特性 / 歩行視力 / 視線解析 / 身体バランス / アイフレイル / 重心動揺 / ベクション |
研究実績の概要 |
1.老視の屈折矯正法の一つであるモノビジョン法における両眼加重を、視覚誘発電位を 用いて屈折差の許容範囲を健常成人27名で他覚的に検討した。その結果、1.00D以下の屈折差で両眼加重の成立することが判明した。2.滑動性追従眼球運動運動負荷時の姿勢応答特性を明らかにするため、健常成人20名を用いて重心動揺の周波数を解析した。その結果、0.3~0.4Hzにピーク周波数を認め、視覚および眼球運動情報の前庭系入力を介して発現した姿勢応答と推察された。3.コロナ禍の影響で高齢対象者のデータ収集が計画通りに進まなかったため、栃木県大田原市の介護予防事業に任意で参加された女性192名(平均年齢79.2±7.2歳)を対象に基本チェックリスト等を用いてフレイル健診と日本眼科啓発会議が提唱するアイフレイル(Eye frailty)のスクリーニングツール10項目との関連について検討した。その結果、2項目以上に「はい」と回答した場合をアイフレイルと判定すると、対象者の約75%はアイフレイルであり、非該当者に比べ歩行速度が遅く、基本チェックリストのスコアが高く要介護ハイリスク状態であることが判明した。さらに、上記の対象者の33名には約2, 3, 4km/h定速歩行時の両眼歩行視力の測定を試みた。その結果、静止視力に比べて歩行視力は低下したが、歩行速度による違いは認められなかった。4.仮想現実(VR)を用いて視覚誘導性自己運動感覚(vection)が静止立位に及ぼす影響を健常若年者20名と高齢者19名で検討した。その変動幅は健常若年者よりも高齢者で増大し、年齢による差異が認められた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で高齢被験者のリクルートが計画通りに実施できず、一部のデータ収集に後れを生じている。一方、健常者を用いた予備実験や基礎データの収集は順調に推移している。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が終息し、地域在住高齢者を介護予防事業の参加者から募ることで被験者のリクルートは解決する見込みである。不足している高齢対象者の歩行視力・視線解析、身体バランスデータを早急に収集し、若年者のデータと比較し、解析を進める。また、日本眼科啓発会議から提唱されているアイフレイルが注目されており、身体バランスを含めた歩行視力の分析と並行して、基本チェックリストを含むフレイル健診結果との関連性を精査する。
|