「学校で学ぶことは役に立たない」という言葉が時々聞かれる。しかし,多くは「学校で学ぶことをうまく役立てられない」というのが実際ではないか。本研究で成果として作成したインタラクティブ・ブック『理科の学び方 ー抽象度高く学ぶということー』には,それに対する一つのヒントが詰まっている。 「具体と抽象の往還」とは以前より言われているが,義務教育においてその重要性を指摘し,具体的な教材として提示されたことはない。「具体と抽象の往復思考」は,「学んだことが役立つかどうか」という「受動的な学び」を越えて「どうすれば役立つものとなるか」というアクティブな学びへの姿勢への転換を促すものになると期待される。
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