2021年は承久の乱(1221年)から800年の年であった。ゆかりの各地で催事が営まれ、2022年に放映される鎌倉幕府2代執権北条義時を主人公とするテレビドラマでは承久の乱が終盤の見せ場になることが予告されるなど、社会的・国民的な関心を集めている。 この承久の乱の全体を描く龍光院本『承久記絵巻』全6巻について、従来は詳細が不明だったが、本研究で基礎的な事柄を解明した。本研究の成果は、研究者人口が少ない『承久記』の本文研究はもとより、近年関心が高まっている「四部之合戦書」(『保元物語』『平治物語』『平家物語』『承久記』)に発する絵画との関連など、多くの発展的課題に資すると予想される。
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