本研究では、中東湾岸地域における科学技術・イノベーションの状況をNISの枠組みを使い、アクターや制度も含めて明らかにすることを試みた。これまでイランを含む湾岸地域において、資源の呪いやレンティア国家論が資源の豊富な地域の科学技術の発展や経済多角化を遅らせている主な理由とされてきたが、国際関係・安全保障(特に外的脅威)がその説明に新たな視点を加えるものとなった。そういった状況から、自前の技術力に遅れをとる当該地域で、再生可能エネルギーの展開を対象とし、輸入した技術を展開するということから得られる能力や変革力について検討をした。予備的な所見からプロジェクトをベースとした能力の習得がみられた。
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