• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

能力の有用性を巡る組織・個人間の認識のギャップを補完する説明方略の探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H03907
研究機関京都大学

研究代表者

中元 崇  京都大学, 大学職員

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2022-03-31
キーワードスタッフ・ポートフォリオ / メンタリング / リスキリング
研究実績の概要

本研究は、個人が保有する能力とその有用性について、組織内上司との認識のズレに着目し、その認識のギャップを補完する個人側の説明方略を探求するものである。具体的には、大学職員がスタッフ・ポートフォリオを作成し、それをメンタリング等の場で組織内上司であるメンターに説明するプロセスにおいて、個人は自己の能力の有用性をいかに説明するのかという問いを立て、その解明に取り組んだものである。
本研究を遂行するため、最初にポートフォリオに関する先行研究の分析を行うとともに、スタッフ・ポートフォリオの作成経験を持つ大学職員、メンタリングのメンターの経験を持つ大学職員を対象とするインタビュー調査を行った。
調査からは、個人の側が必ずしも強く自己の能力をアピールするわけではなく、むしろそれを避けるような説明を取っていること、メンターの側も必ずしも個々の能力について深堀りをしているわけではないことが分かった。このような振る舞いは、大学職員のキャリアパス・能力形成に関する構造的な問題として捉えうることを示唆する発言も得られた。
この結果からは、単に能力開発を行えば、それが生身のまま活用されるわけではないこと、つまり教育・人材育成に注力するだけでは不十分であり、その能力をいかに文脈づけるか(組織内や職業構造の文脈)という取り組みもまた重要であることが示唆される。
このことを社会人の学び直し・リスキリングの文脈に当てはめるとすれば、単に学ぶ内容や獲得されるスキルだけが問題ではなく、学んだ内容が活用される場、すなわち企業や職場の風土・意識の変革もまた求められることとなるのである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 我が国におけるポートフォリオの導入とその課題─能力を巡る認識ギャップに着目して─2021

    • 著者名/発表者名
      中元 崇
    • 学会等名
      大学行政管理学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi