九頭竜川は福井県嶺北地方を流れる一級河川であり、流れる水の働きによるV字渓谷、扇状地など、上流、中流、下流の土地の変化の様子を観察できる。小学校の児童用に福井県嶺北地方の九頭竜川や流域の地質素材を教材化した学習プログラムを開発し、地学の楽しさや面白さに触れながら小学校教員への普及開発を行いたいと考え、次の目的で研究を進めた。 (1)九頭竜川や流域の地形や地質素材、災害や防災資料を教材化した小学校理科の学習プログラムを開発する。 (2)開発した学習プログラムを活用し、野外観察やオンライン授業を組み合わせたハイブリッドな授業を通して、福井県嶺北地方の地形と地質、大地の生成、防災への取り組みへの理解を深める。 開発した学習プログラムは、第4学年「雨水のゆくえと地面のようす」、第5学年「流れる水のはたらき」、第6学年「大地のつくり 地層のでき方」の単元に位置づけた。九頭竜川や流域の地形や地質、災害や防災と地学教育に関する現状の認識を分析し,学習前後の認識と行動に関するアンケート用紙を作成するとともに、学習後,九頭竜川や流域の地形や地質、災害と地学教育に関する現状の認識の事後評価を行い,事前評価と比較し学習プランの分析を行った。結果として、児童の福井県嶺北地方の地形と地質、大地の生成、防災への取り組みへの理解を深めることができた。また、九頭竜川の防災、減災の具体的な取組を学習し、防災や減災に対して理科教育の有用性を確認することができた。
|