学習指導要領(文科省,2017)では,資質・能力の育成を図る教育の重要性が指摘されている.とりわけ算数・数学教育における演繹的推論を働かせた「筋道立てて考え,表現する力」は,数学で扱う論理の基盤として重要視されている.しかし,育成の難しさがかねてより指摘されてきた.そのため近年,小学校算数科の「説明」を数学の「証明」の萌芽と捉え,系統的に育成しようとする動向がある.しかしその系統性が十分明らかになっていないため,小学校現場において目的の希薄な算数科の説明活動が散見される状態になっている.その改善のために,系統性として「仮言的三段論法(推移律)」に着目し,系統的育成の可能性を研究している.
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