1.流動層方法:鋳枠に強化ガラスをはめ込み、鋳型内部の砂挙動を可視化できる鋳型を使用する。①鋳枠_350×350×120mm×3枠、②鋳型底から渦巻状ホースで空気送入(内径Φ15mm×3m、空気穴Φ2mmを15mm間隔)、③コンプレッサー圧力0.97MPa、吐出量605L/min。 2.発砲模型:可視化し易い渦巻形状を採用。砂進入口数・向きを種々に変え実験。渦巻形模型寸法120×120mm(溝幅4mm、間隔5mm、深さ10mm)・湯口(溝幅と深さは10mm、直線60mm)、模型はガラス面に固定し全方位実験を行う。実験から、渦巻形の砂進入口を上向きで砂に埋めた場合、流動層の砂流動では砂は重力落下でしか滞留せず、湯口直線部が塞がれると渦巻下部で砂の進入は止まる。流動層の砂流動だけでは、砂を十分に渦巻形状に押し込む力がない(動画から)。 3.改善策:模型を回転させ、流動層の砂流動力+砂を強制的に渦巻状通路に導く動作を考える。砂充填率を高めるため、模型を流動層の鋳型中央で埋没させ手動で回転させる。(1)渦巻形砂進入口は、発砲模型上部2箇所(左上2溝幅、右上横1溝幅)。結果は砂の渦巻溝充填率から、①模型20回転は50%(失敗)、②模型30回転は60%(失敗)、③模型左右振りは渦巻2溝が埋まる程度(失敗)、④模型30回転(+渦巻中心_砂進入口3箇所)は充填率100%(成功)。30回転することで砂が強制移動し砂進入口は塞がれず、渦巻形状通路に砂を補給し続ける。(2)格子形砂進入口は、模型上部1箇所(縦5×横5、溝幅等は渦巻同様)。模型30回転_砂充填率100%(成功)。 4.研究成果:模型を流動層の鋳型中央で埋没させ手動で回転させる手法は有効である。機械的に回転させる仕組みを考案できれば、流動層と機械的アシストで、フルモールド鋳造発砲模型の複雑で微細な内部形状に適用可能である。
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