樹脂容器内にヒーターと温度センサを組み込んだサーマルセルを試作し,室内実験装置を用いて地下水の流速および流向の検出を試みた。地下水流れがない場合を含む3パターンの流速を設定して流速検出の実験を行ったところ,サーマルセル内温度は地下水流れの有無でわずかに変化したが,流速の違いは検出できなかった。同様にサーマルセルを円周上に6個設置して流向の検出を行ったが,明確な結果は得られなかった。これは,サーマルセルに熱伝導率の低い塩ビ材を用いたことにより,センサとしての感度が弱まったことが要因の一つとして考えられる。
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