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2021 年度 実績報告書

犯罪捜査のための手袋痕の異同識別を支援する画像解析トレースシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21H04101
研究機関山口県警察本部刑事部科学捜査研究所

研究代表者

佐藤 正学  山口県警察本部刑事部科学捜査研究所, 山口県職員

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2022-03-31
キーワード手袋痕 / 異同識別 / 画像解析
研究実績の概要

本研究は、犯行現場に残された手袋痕と犯人の手袋との目視による異同識別を支援するため、手袋痕の特徴に類似する手袋部位の模様を画像解析によって検出し、その類似度を順位付けする画像解析トレースシステムの構築である。
本システムでは、手袋痕と手袋の滑り止め部分に黒色粉末を散布してそれぞれの特徴模様を粘着シートに採取した後、スキャナーによって画像化する。次に、これらの模様の輪郭特徴を顕在化させるために前処理として鮮明化や強調処理するとともに手袋の伸縮による痕跡の形態変化を疑似的に補正処理する。そして、手袋痕を回転させながら手袋の模様とのテンプレートマッチングによって手袋痕の特徴に類似する手袋部位を画像検出する。この検出における相関度を指標とし、手袋部位の類似度を順位付けすることによって手袋痕と手袋との目視による異同識別を支援する。
本システムの性能評価のために手袋の滑り止め部分が擬似指紋のような細かいシワ状のものや網状のブロック型のものなどをサンプルとし、これらの手袋の模様の一部によって残された手袋痕を解析した。その結果、相関度が顕著に高く検出された手袋部位は、模様の形状、方向、幅、間隔等が手袋痕と合致しており、本システムの有効性が示された。
手袋痕は、模様の輪郭が不明瞭かつ複雑な場合、また、手袋の伸縮による痕跡の形態変化が生じる場合、手袋との比較検証が容易ではない。本システムによって手袋痕の特徴に類似する手袋部位の順位付けが目視による異同識別の見誤りや見落としを防ぐとともに検証時間の短縮に貢献することができる。

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公開日: 2022-12-28  

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