犯行現場に残される手袋痕は、手袋の滑り止め部分の模様の一部が断片的に残されることが多い。さらに輪郭が不明瞭かつ断続的であり、手袋の伸縮によっては痕跡の形態が変化するため、類似性を比較検証することは容易ではない。本研究による構築システムは、このような手袋痕の特徴に類似する手袋部位を順位付けすることによって異同識別を支援し、目視による見誤りや見落としを防ぐとともに検証時間を短縮することができる。犯行現場に残された手袋痕と犯人の手袋との異同識別の正確性と迅速化に貢献するものであり、犯人の早期検挙や立証に有効なシステムである。
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