オオタニワタリはチャセンシダ科に分類されるシダ植物である。本州や四国の南端部、および九州南部以南に自生するが、盗掘によって野生個体は大きく数を減らし、絶滅危惧種とされている。本研究では初めにオオタニワタリの胞子による効率的な増殖条件を検討した。いくつかの培地と液体肥料を組み合わせて検討を行ったところ、有効な組み合わせを見出すことができた。幼苗を利用した苗の生産方法の検討については、胞子帯が5 cmになるまでの最適な用土を検討した。また、自生地調査においては天草市天草町にて、9個体が生育する新たな自生地が発見された。
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