癌細胞特異的に感染・増殖する増殖型レトロウイルスベクター (RRV:Retroviral Replicating Vector) を用いた癌自殺遺伝子療法のイヌ悪性腫瘍に対する治療効果を評価した。イヌ癌細胞およびイヌ正常細胞に対して、RRVの感染・増殖効率、殺細胞効果およびヌードマウスにおける腫瘍形成能を検討した。用いたイヌ癌細胞株3種ではいずれも、イヌ正常細胞では見られなかったRRVの効率的な感染伝播を認めた。自殺遺伝子CD発現RRVを用いた検討では、腫瘍細胞株でのみ用いたいずれにおいても感染伝播効率と添加した薬物前駆体に依存した殺細胞効果を認めた。
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