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2021 年度 実績報告書

高校生とともに食性解析から明らかにするクロスズメバチの生態

研究課題

研究課題/領域番号 21H04158
研究機関岐阜県立多治見高等学校

研究代表者

佐賀 達矢  岐阜県立多治見高等学校, 高等学校理科専任教諭

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2022-03-31
キーワードクロスズメバチ / 食性解析 / 生物多様性
研究実績の概要

東海地方の山間部では蜂の子と呼ばれるクロスズメバチ及びシダクロスズメバチの幼虫や蛹を飼育して食べる文化がある。蜂の巣を採集する際には、ニワトリやイカの肉を小さな団子状にし、目印を付けたものを蜂に与えて巣に持ち帰らせ、その目印を追いかけて巣を発見する。蜂の飼育時には鶏肉や鹿肉、海水魚等様々な餌が用いられている。蜂の子を食べる人々も、学術研究においても、クロスズメバチ属の蜂は昆虫やカエル、ヘビを捕食すること以外、餌生物の詳細は分かっていない。
本研究では、シダクロスズメバチの幼虫24個体の消化管から未消化物を取り出し、DNAバーコーディング法を用いて餌生物の特定を行った。その結果、165種類の餌生物のDNAを検出した。蜂愛好家が飼育している巣では、愛好家が与えている鹿肉や鶏肉に加え、ハタネズミやカケス、昆虫類を食べていた。また、野生巣では昆虫類に加え、ハシブトカラスやハシボソガラス、ハクビシン、ヒバカリ、キジバトを食べていた。餌生物の構成は飼育巣と野生巣で異なるだけなく、地域によっても異なっていた。
東海地方の山間部では蜂の子と呼ばれるクロスズメバチ属の蜂の幼虫や蛹を食べる文化がある。本種は昆虫やカエル、ヘビを食べることが報告されているが、餌生物の詳細は調べられておらず、蜂の子を食べる人々も詳しくは分かっていなかった。本研究によって、本種は昆虫に加え、ハクビシン、ハタネズミ、カケス、キジバト、ハシブトガラス、ハシボソガラスを食べていることが明らかになり、野生下で哺乳類や鳥類の肉を捕食していることを明らかにした。他方で、本種を飼育する蜂愛好家は自身の経験や他の愛好家との情報交換からニワトリや鹿肉を蜂の餌として与えており、本研究結果は蜂飼育文化の成熟度を裏付ける結果ともなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rearing techniques for hornets with emphasis on Vespa velutina (Hymenoptera: Vespidae): A review2021

    • 著者名/発表者名
      Van Itterbeeck Joost、Feng Ying、Zhao Min、Wang Chengye、Tan Ken、Saga Tatsuya、Nonaka Kenichi、Jung Chuleui
    • 雑誌名

      Journal of Asia-Pacific Entomology

      巻: 24 ページ: 103~117

    • DOI

      10.1016/j.aspen.2021.03.009

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] おいしく食べられる蜂の子は死肉を食う2021

    • 著者名/発表者名
      木下裕靖, 江口拓真早, 佐賀達矢
    • 学会等名
      日本進化学会2021年大会

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公開日: 2022-12-28  

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