東海地方の山間部では蜂の子と呼ばれるクロスズメバチ属の蜂の幼虫や蛹を食べる文化がある。本種は昆虫やカエル、ヘビを食べることが報告されているが、餌生物の詳細は調べられておらず、蜂の子を食べる人々も詳しくは分かっていなかった。本研究によって、本種は昆虫に加え、ハクビシン、ハタネズミ、カケス、キジバト、ハシブトガラス、ハシボソガラスを食べていることが明らかになり、野生下で哺乳類や鳥類の肉を捕食していることを明らかにした。他方で、本種を飼育する蜂愛好家は自身の経験や他の愛好家との情報交換からニワトリや鹿肉を蜂の餌として与えており、本研究結果は蜂飼育文化の成熟度を裏付ける結果ともなった。
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