バルガンシクロビルは肺移植後のサイトメガロウイルス(CMV)感染予防に対する唯一の薬剤であるが、重篤な骨髄抑制の発現により投与の中止を余儀なくされる症例が報告されている。そのため、重篤な副作用の発現を予測する指標の確立が求められている。本研究では、バルガンシクロビルの活性代謝物であるガンシクロビルの血中濃度に着目し、副作用との関連を調査した。その結果、Grade3以上の副作用が発現した患者では、Grade2以下の副作用が発現した患者と比べて血中濃度が有意に高いことが判明した。以上より、バルガンシクロビル投与に伴う副作用の予測指標として、血中濃度モニタリングは有用であると考えられた。
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