抗がん剤誘発中枢神経障害に対する漢方薬の影響について評価を行った。ドキソルビシンとシクロホスファミド(AC)をラットに週1回2週間投与し、13日後に漢方薬の単回経口投与行い、翌日に明暗探索試験を実施した。抑肝散は14日間経口投与も行った。釣藤鈎、釣藤散、抑肝散の単回投与では、AC投与による明室進入時間低下の抑制はみられなかった。一方、抑肝散の反復投与ではAC投与による明室進入時間低下は抑制され、WAY100635との併用で抑肝散の効果を抑制する傾向がみられた。抗がん剤誘発精神機能障害に対し、抑肝散は単回よりも反復投与によって効果が発揮され、5-HT1A受容体に関与する可能性が示唆された。
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