肺小細胞癌は肺癌の約10~15%を占める高悪性度の神経内分泌癌として知られており、抗癌剤治療後の薬剤耐性が問題となっている。本研究は、肺小細胞癌が薬剤耐性を獲得する機構を解明するために、肺小細胞癌の薬剤耐性細胞を作製した。その結果、2つのトランスポーターを薬剤耐性分子として同定した。これらの結果により、肺小細胞癌の薬剤耐性を獲得するメカニズムの一つにトランスポーターの寄与が示唆された。この薬剤耐性分子が治療抵抗性の肺小細胞癌で発現確認でき、かつ薬剤耐性分子が関与するシグナル伝達経路を特定できれば、薬剤治療抵抗性の肺小細胞癌の治療標的としてトランスポーターに絞った新たな治療法の開発が期待される。
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