研究課題
奨励研究
中枢神経疾患において、タンパク質の恒常性を担う小胞体ストレス応答の重要性が永らく提唱されているが、それが病態下において実際にどのように誘導されるかについての理解は限られている。そこで本研究では、脳損傷後の小胞体ストレス応答の時空間パターンおよび細胞タイプを検証する目的で、ERAIマウスを用いて組織学的解析を行った。その結果、脳損傷後の小胞体ストレス応答は細胞種特異的な経時変化を示すことが明らかとなった。
神経解剖学
中枢神経系の病態における小胞体ストレス制御の重要性が報告されてきたが、小胞体ストレス応答がどの細胞でどのような時間経過で誘導されるのかの詳細は十分に明らかとなっていなかった。本研究により、脳損傷が小胞体ストレス応答を細胞タイプ毎に異なる時間軸で誘導することが明らかとなった。本成果により、小胞体ストレス応答を標的とした治療法の開発を目指す上で、標的となりうる細胞種や適切な介入時期に関して有用となる知見を提供できたと考えられる。