腹部領域における金属フィルタを付加する被ばく低減撮影法が報告されているが,臨床での報告は少なく普及しているとは言えない.今回,腹部単純X線撮影において,80 kV,0.2㎜銅フィルタを使用した被ばく低減撮影法の臨床使用での有用性を検討した. 銅フィルタなしを基準として,銅フィルタありの場合の線量低減割合の計測、臨床画像を利用した定量評価、放射線科医による視覚評価を行った結果、約44 %線量が低減し、定量評価および視覚評価は銅フィルタの有無による有意差は認められなかった。以上より腹部単純X線撮影において,80 kV,0.2㎜銅フィルタの使用は,画質を妥協することなく被ばく低減が可能である.
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