研究課題/領域番号 |
21H04280
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3220:恒常性維持器官の外科学、生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
鈴木 景子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任助教
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 血管内皮障害 / グリコカリックス / バイオマーカー |
研究成果の概要 |
2019年3月~2020年2月に岐阜大学病院の救命救急センターに入室した患者を対象に採血時の残血清をもとに、ELISA法にて血清SDC-1を測定した。期間中、94人の患者が登録され、831のサンプルを測定した。血清SDC-1と各パラメータの関係を、年齢、性別で調整した線形混合モデルを用いて解析したところ、翌日の肝臓、腎臓、および凝固系マーカーに有意な影響を認め、これらの障害を早期に補足する有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。 また年齢に関係なく、SDC-1値の上昇が、死亡率と有意に相関しており、SDC-1値の上昇は、重症患者の死亡の重要な危険因子である可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
血管内皮障害
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
救急集中治療領域で遭遇する重症疾患は臓器障害を併い、各臓器障害の程度によっても死亡率が左右されるため、臓器障害を早期の段階で把握することは非常に重要である。臓器障害のマーカーとして、様々なものが検討されているが、重症例では複数臓器が障害されていることが多く、単一臓器の障害マーカーでは早期の臓器障害を捕捉するには限界がある。本研究により、救急集中治療領域において、重症症例の予後の臓器障害を早期に補足し、死亡率の低下につなげるための一助となる可能性が示唆された。
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