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2023 年度 実績報告書

漢文大蔵経の文献学的研究基盤の構築:『大正新脩大蔵経』底本・校本DBの活用と拡充

研究課題

研究課題/領域番号 21H04345
研究機関公益財団法人東洋文庫

研究代表者

會谷 佳光  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50445714)

研究分担者 相原 佳之  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (00634437)
中村 覚  東京大学, 史料編纂所, 助教 (80802743)
宮崎 展昌  鶴見大学, 仏教文化研究所, 准教授 (70773729)
清水 信子  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (80445709)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
キーワード『大正新脩大蔵経』 / 増上寺報恩蔵(酉蓮社) / 情報学(IIIF、TEIなど) / 漢文大蔵経編纂史 / 漢籍書誌学 / 宮本(宮内庁書陵部蔵宋版大蔵経)
研究実績の概要

2023年度は、酉蓮社本のデジタル撮影(第97~144函306冊34,181コマ)、書誌調査、書誌・画像データの整理・増補、『大正新脩大蔵経』底本・校本データベース(以下「本DB」)のリニューアル準備に取り組んだ。
特筆すべき点としては、大谷大学図書館、龍谷大学図書館、大正大学図書館に所蔵資料の二次利用申請を行い、過去に各館で調査した仏典の書誌・画像を本DBに取り込んで公開することについて許諾を得た点が挙げられる。
書誌調査では、2023年9月、2024年1月・2月に大谷大学図書館・龍谷大学図書館にて大正蔵の底本・校本に使われた可能性のある仏典77点の書誌調査、文献複写を行った(會谷・清水)。また2024年3月、浄勝寺(福井県越前町)にて丹山順芸が建仁寺高麗蔵と校合した黄檗版大蔵経の調査を実施した(宮崎)。
2023年12月に研究打ち合わせを行い、本年度のデータベース改修について検討した。それを踏まえ、(1)2022年度に撮影した酉蓮社本のIIIF画像の本DBおよび「酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベース」(以下「酉目DB」)への追加登録、(2)仏典書誌データベース(以下「仏典書誌DB」)の構築と書誌情報・画像データの取込、(3)本DBの改修:①検索結果、詳細ページのシステム改修、②詳細情報のデータ拡充(勘同目録記載事項の追加、外部サイトとの連携強化)、③仏典書誌DBとの連携、④「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」公開の宮本(宮内庁書陵部蔵宋版大蔵経)子書誌データ(會谷作成)との連携、⑤底本・校本の書誌・画像データの表示方法の変更(経典単位から目次単位に変更)、(4)英語対応(凡例等の英訳を計画)を行って、2024年度にリニューアル公開する準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

仏典書誌DBに登録する書誌情報のデータ整理が遅れたため、本DBの改修が2024年度に持ち越しとなった。その一方、酉蓮社本のデジタル撮影・IIIF化作業は予定どおり進展し、SAT大藏經テキストデータベース研究会撮影分の酉蓮社本IIIF画像、および「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」の宮本IIIF画像とのデータベース連携を継続し、本データベースからのリンクを維持した。「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」で新たに公開された宮本の子書誌データ(會谷作成)との連携を行い、さらに大谷大学図書館、龍谷大学図書館、大正大学図書館の所蔵資料のIIIF画像、書誌データの連携がスタートするなど、本DBを活用・拡充して漢文大蔵経の文献学的研究基盤を構築するという本研究課題の目標に向け、大きく前進した年となった。酉蓮社本のTEIテキスト化については、作成方針を検討した段階で停滞しているが、「国立国会図書館古典籍OCR」などを活用して、2024年度には本格的にスタートしたい。

今後の研究の推進方策

酉蓮社本のデジタル撮影とIIIF化の継続、TEIテキストの作成、大谷大学図書館、龍谷大学図書館、大正大学図書館での書誌調査を推進しつつ、本DBの英語対応にも注力し、国際発信に努める。外部サイトとの連携をより一層広範囲に実現することを目指す。

備考

「仏典書誌データベース」の構築(2024年度公開予定)
学会発表抄録:清水信子「東洋文庫所蔵『重修政和経史証類備用本草』について」(『日本医史学雑誌』第69巻第2号、2023年、p.198)

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (5件)

  • [雑誌論文] 静的サイトジェネレータを用いたデジタルアーカイブシステムの構築:『Digital Cultural Heritage』への適用2024

    • 著者名/発表者名
      中村 覚, 高嶋 朋子
    • 雑誌名

      東京大学大学院情報学環社会情報研究資料センターニュース

      巻: 34 ページ: 1-6

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 建学の精神「大覚円成 報恩行持」の由来・来歴をさぐる ―学園の教育目標(標語)の変遷も踏まえながら―2024

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 雑誌名

      鶴見大学仏教文化研究所紀要

      巻: 29 ページ: 27-47

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 鶴見大学図書館所蔵品をとおしてみる本邦における仏典の書写・請来・印刷2024

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 雑誌名

      書物学

      巻: 25 ページ: 74-80

  • [雑誌論文] IIIFを用いた前近代絵図の比較支援ツールの開発2023

    • 著者名/発表者名
      中村 覚, 黒嶋 敏, 畑山 周平, 山田 太造
    • 雑誌名

      じんもんこん2023論文集

      巻: 2023 ページ: 45-50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語史料を対象としたテキストエンコーディングの事例紹介2023

    • 著者名/発表者名
      中村 覚
    • 雑誌名

      西洋史研究

      巻: 新輯第52 ページ: 89-94

    • 国際共著
  • [雑誌論文] [A22] Archivematicaを活用したデジタルデータの長期保存を支援する簡易操作アプリケーションの開発2023

    • 著者名/発表者名
      中村 覚、金 甫榮、南山 泰之
    • 雑誌名

      デジタルアーカイブ学会誌

      巻: 7 ページ: s107-s110

    • DOI

      10.24506/jsda.7.s2_s107

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Implementation of data-driven historical informatics research on Kao (Stylized Signature).2023

    • 著者名/発表者名
      Satoru Nakamura, Guanwei Liu, Hajime Miyazaki, Satoshi Inoue, Wataru Ohyama, Taizo Yamada
    • 雑誌名

      Digital Humanities 2023

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.5281/zenodo.8107647

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 建学の精神「大覚円成 報恩行持」の由来・来歴をさぐる-学園の教育目標(標語)の変遷も踏まえながら2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 学会等名
      鶴見大学仏教文化研究所令和5年度公開シンポジウム「総持学園における仏教を基とした教育の歴史と今後の展望-総持学園創立100周年を記念して」
  • [学会発表] *Vajramandadharani 〈金剛場陀羅尼〉編纂の背景事情について ―経題および仏伝における記述との関係からの検討―2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 学会等名
      日本印度学仏教学会第74回学術大会(龍谷大学・オンライン)
  • [学会発表] 近世日本における大蔵経の請来・開版・批判的研究2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 学会等名
      日本印度学仏教学会第74回学術大会 パネル発表C「江戸時代の仏教文献をめぐる諸相」(龍谷大学・オンライン)
  • [学会発表] 東洋文庫所蔵写本大蔵経のデジタル化について2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 学会等名
      第9回チベット学情報交換会(金沢大学)
  • [学会発表] 仏教文献研究としての大乗経典の個別研究 ―経典の編纂過程および大蔵経に関する探求―2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 学会等名
      東洋大学文学研究科インド哲学仏教学専攻院生研究発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] 東洋文庫所蔵『重修政和経史証類備用本草』について2023

    • 著者名/発表者名
      清水 信子
    • 学会等名
      第124回日本医史学会学術大会
  • [図書] 日本古写経善本叢刊 第十一輯 国宝 金剛場陀羅尼経2024

    • 著者名/発表者名
      赤尾 栄慶・杉本 一樹・落合 俊典・長尾 杏樹・宮崎 展昌
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      国際仏教学大学院大学 日本古写経研究所
  • [図書] 蔵文和訳 阿闍世王経2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎 展昌
    • 総ページ数
      388
    • 出版者
      起心書房
    • ISBN
      978-4-907022-27-3
  • [備考] 「『大正新脩大蔵経』底本・校本データベース」の改修

    • URL

      https://static.toyobunko-lab.jp/taishozo/

  • [備考] 「酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベース」の改修

    • URL

      https://static.toyobunko-lab.jp/u-renja/

  • [備考] 「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」「[大藏經](或称一切經)1454種5733卷」子書誌公開(會谷 佳光)

    • URL

      https://db2.sido.keio.ac.jp/kanseki/search_bib_result?search_type=2&keyword=%E5%A4%A7%E8%94%B5%E7%B5%8C&search_category=bib&search_target_subbib=&search_target_subbib=on

  • [備考] 科研費(20H01185)「大乗経典諸本対照テキスト」サイトの構築・公開(宮崎 展昌)

    • URL

      https://mahayana-scriptures.com/

  • [備考] 共同研究(15K02044等)「八千頌般若の梵蔵語彙集」サイト構築・公開の支援(宮崎 展昌)

    • URL

      https://prajna.toyo-ymba.net/

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公開日: 2024-12-25  

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