研究課題/領域番号 |
21H04346
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
江畑 冬生 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (80709874)
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研究分担者 |
永山 ゆかり 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (20419211)
藤代 節 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (30249940)
松本 亮 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (30745857)
A Bugaeva 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 准教授 (40550075)
李 林静 成蹊大学, 法学部, 教授 (40567418)
小野 智香子 北海学園大学, 工学部, 教授 (50466728)
梅谷 博之 明海大学, 外国語学部, 准教授 (60515815)
BAEK SANGYUB 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60788925)
長崎 郁 名古屋大学, 人文学研究科, 特任講師 (70401445)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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キーワード | 記述言語学 / 対照言語学 / 言語類型論 / 社会言語学 / 言語接触 / 地域言語学 |
研究実績の概要 |
研究年度1年目にあたる2021年度には,「国家語の影響下でのシベリア先住民諸語の現在」を全体テーマとし,方言を含めた同系言語・異系統言語の対照と,言語接触および社会言語学的要因による言語変容に焦点をあてた研究を行った.主な研究成果としては以下のものがある.第1に,チュルク語族における語彙対照や形態音韻交替の対照により,同系言語同士の近接性と相違点を明らかにした.第2に,地域言語学的観点から,満洲・ツングース語族および周辺諸言語の時制体系と目的節形式の類型を示した.第3に,記述言語学と言語類型論の観点から,ユカギール語およびイテリメン語のテンス・アスペクト構造の解釈を行った.第4に,イテリメン語辞書およびアルタイ語基礎語彙データを含む一次資料を公刊した.第5に,シベリア先住民諸語の未公刊資料や現地出版物を詳細に検討したことによる研究成果が得られた. 研究メンバー全員による研究活動として,6月12日には打合せを兼ねた研究会を行い,5年間の研究期間における課題を共有しつつ意見交換を行った.9月13日の『イテリメン語文法』合評会では,チュクチ・カムチャツカ語族におけるイテリメン語の位置づけについての検証を行った.国際研究活動として,ロシア連邦・大韓民国・英国で開催された国際学会において成果発表を行うことができた.アウトリーチ活動として,研究代表者による講演「シベリアの少数民族:サハとトゥバの言語と文化」(2021年10月・大東文化大学)などがあった. このように2021年度の研究活動はおおむね順調であったが,一方では新型コロナウイルス感染症の問題によるマイナスの影響もあった.特に,研究分担者が参加予定であった海外開催の国際学会に参加できないなどの事態が発生したことなどの理由により,年度末には研究経費の一部繰り越しを行うことになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 新型コロナウイルス感染症およびロシアによるウクライナ侵攻による影響を被り,研究課題の当初計画で予定していた現地調査や国際学会参加を断念せざるを得ない状況が発生したものの,オンラインによる現地調査あるいは学会参加に替えることによりマイナスの影響を最小限にとどめることができた. 2. 研究成果として,学術雑誌への論文掲載15編,国内学会・海外学会での研究発表20件,図書出版3件があった. 3. 国際連携による研究活動として,主としてロシア連邦・大韓民国・中華人民共和国の研究機関に所属する研究者らと積極的な意見交換を行うとともに,国際学会での研究発表も6件に上った. 4. アウトリーチ活動の一環として,雲南民族大学(中国)や大東文化大学での講演を行った.
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今後の研究の推進方策 |
研究年度2年目にあたる2022年度には,「古文献資料から見るシベリア先住民諸語の過去」を全体テーマとしている.これに沿って研究メンバーのそれぞれが,現地調査あるいはオンライン調査,19世紀の未出版手書き古文献の調査,19世紀後半~20世紀前半のフォークロア資料調査などを通じて,対照言語学的ならびに地域類型論的アプローチによる歴史的変遷プロセスの解明を進めていく予定である.年度末までに,日本言語学会や国際アルタイ学会などにおける口頭発表,『北方言語研究』『アルタイ学報』誌などへの論文投稿,成果論集の出版などにより成果公開を進める.
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