研究課題
基盤研究(A)
群馬県居家以岩陰遺跡という、これまで発掘事例の少なかった縄文初期の人骨を含む遺跡を調査し、縄文時代の社会全体に対する定説を見直すことを目標にかかげた課題である。縄文時代を定住化による組織化された人間社会形成という世界史レベルの大きな変革の一環として捉えるという視点をもとに、考古学・人類学・DNAの3チームによる役割分担を明確にしている。
重要な遺跡について精度の高い発掘調査を実施するとともに、埋葬人骨と生活遺物について学際的な先端技術を活用して分析することで、縄文時代早期の社会組織、生活史、葬制の復元を行うもので、高い学術的な意義が認められる。論文発表・学会報告以外に博物館展示なども計画されており、社会の関心にも対応している。研究計画はよく練られており、経費も適切である。