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2022 年度 実績報告書

デジタルプラットフォーム取引の越境性に対応した規整枠組の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21H04383
研究機関名古屋大学

研究代表者

横溝 大  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00293332)

研究分担者 竹内 真理  神戸大学, 法学研究科, 教授 (00346404)
渕 圭吾  神戸大学, 法学研究科, 教授 (90302645)
内記 香子  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90313064)
川島 富士雄  神戸大学, 法学研究科, 教授 (80234061)
原田 大樹  京都大学, 法学研究科, 教授 (90404029)
渕 麻依子  神奈川大学, 法学部, 准教授 (50771713)
増田 史子  岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (60362547)
松中 学  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20518039)
成瀬 剛  東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (90466730)
加藤 紫帆  東京都立大学, 法学政治学研究科, 准教授 (60825602)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
キーワードデジタル・プラットフォーム / グローバル・ガバナンス / 国家管轄権 / 抵触法 / 国際的執行協力
研究実績の概要

研究2年目に該る本年度は、初年度において確認された、各法分野における国家管轄権理論についての理解の相違、及び、デジタルプラットフォームの性質についての理解の相違を踏まえ、この2点について集中的に検討した。すなわち、3回のGDPG研究会を開催し(第1回:6月5日、神戸大学、第2回:9月10日、オンライン、第3回:9月24日、オンライン、前者については、竹内真理教授(神戸大学)による報告、「国際法から見た執行管轄権の現代的課題」、及び、横溝大教授(名古屋大学)による「インターネットを通じた域外的証拠収集」に基づき、後者については、松中学教授(名古屋大学)による「プラットフォーム、ゲートキーパー、外部性」、及び、渕圭吾教授(神戸大学)による「DPの負うべき義務についての考察」に基づき、議論した。これらの議論を通じ、一定の成果が得られたため、研究成果の公表を目指し、第4回GDPG研究会において(2023年2月28日、名古屋大学)、国家管轄権に関する問題関心を確認し合い、雑誌の特集企画での公表することとした。
また、国際法学会2022年度研究大会の第3分科会「デジタルプラットフォームの自律性と国家法秩序」(静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ、2022年9月6日)において、Aグループ課題②「国境を越えるデジタルプラットフォーム紛争」の担当4名で報告を行い(横溝、増田、加藤、渕(麻))、研究成果を公表し、フィードバックを得た。
さらに、本年度も千葉恵美子教授(大阪大学)とプラットフォームビジネス公開研究会を
共同で月1回のペースで開催し、有識者の報告に基づき議論した。
最後に、研究分担者竹内は、当初本年度に予定していた英国Oxford大学での研究及び意見交換を2023年度に実現し、国家管轄権に関する研究を進展させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の研究計画において、研究2年目は、第1フェーズの研究(インターネット時代を踏まえた新たな国家管轄権理論の構築、デジタルプラットフォーム取引関連規制の国際的適用範囲の分析と各国法との抵触状況の把握、国境を越えたデジタルプラットフォーム取引紛争に関する現行抵触法上の処理の分析、ODR等他の紛争解決手続の活用状況の把握)を継続的に行い、同時に、第2フェーズの検討(国家規制間の抵触を調整するルールの模索、あるべき抵触法ルールの提言、各分野に応じた協力体制のあり方についての検討)を開始することが予定されていた。
これらの研究については順調に進行しているが、それだけではなく、2024年度に予定していた国際法学会主催の研究大会における共通テーマでの報告を、本年度に実現することが出来た。この点で、当初の計画以上に進展していると評価出来る。

今後の研究の推進方策

今後は、第2フェーズの研究をさらに進めると同時に、Bグループによる「グローバル・ガバナンスの観点からのアプローチ」に関する研究を進める。また、A:課題③「国境を越える執行に関する協力」に関する研究手法についても模索する。
また、これまでの研究につき国際的にも意見交換を進めるべく、海外の研究者とのワークショップを行い意見交換を進めると共に、さらなる共同研究の可能性を模索して行く。

  • 研究成果

    (51件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (33件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 属地主義の原則の下でも国外サーバからのプログラム配信が特許権侵害に当たるとした事例 知財高判令和4・7・202023

    • 著者名/発表者名
      横溝大
    • 雑誌名

      有斐閣Online

      巻: L2212005 ページ: 1, 3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 属地主義の原則の下でも国外サーバからのプログラム配信が特許権侵害に当たるとした事例―知財高判令4. 7. 20-2023

    • 著者名/発表者名
      横溝大
    • 雑誌名

      判例秘書ジャーナル

      巻: 文献番号HJ100161 ページ: 1, 7

  • [雑誌論文] 行政上の契約に関する一考察2023

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 雑誌名

      法学論叢

      巻: 192(1~6) ページ: 249, 274

  • [雑誌論文] 今日における訴訟による政策形成・法形成と社会保障2023

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 雑誌名

      社会保障研究

      巻: 7(4) ページ: 349, 361

  • [雑誌論文] 参照領域からみた訴訟類型多様化論の現状と課題2023

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 雑誌名

      行政法研究

      巻: 49 ページ: 321, 329

  • [雑誌論文] ベトナム移民労働者に関するトランスナショナルな法的考察: 日越協力覚書の役割に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      グエン・トゥー・トゥイ=加藤紫帆=横溝大
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 95(1) ページ: 51, 56

    • 国際共著
  • [雑誌論文] 出資法の国際的適用範囲と同法違反を理由とする不法行為準拠法の適用:東京地判令和4・2・222023

    • 著者名/発表者名
      加藤紫帆
    • 雑誌名

      有斐閣Online

      巻: ID: L2302006 ページ: 1, 3

  • [雑誌論文] 金子宏先生を偲んで--『所得課税の基礎理論』を読む2023

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      税務弘報

      巻: 71(1) ページ: 91, 94

  • [雑誌論文] 持続可能な都市開発に関する規範の発展過程: SDG11、スマートシティ規範、データガバナンス2023

    • 著者名/発表者名
      内記香子
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 208 ページ: 78, 99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 経済教室 中国の産業政策のいま(中)巨大ITの独禁規制2023

    • 著者名/発表者名
      川島富士雄
    • 雑誌名

      日本経済新聞

      巻: 2023年3月9日朝刊 ページ: 28, 28

  • [雑誌論文] 日本版事前通知条項と株主提案権をめぐる定款自治2023

    • 著者名/発表者名
      松中学
    • 雑誌名

      旬刊商事法務

      巻: 2320 ページ: 26, 29

  • [雑誌論文] ブロックチェーンに関する抵触法的考察2022

    • 著者名/発表者名
      横溝大
    • 雑誌名

      NBL

      巻: 1222 ページ: 20, 25

  • [雑誌論文] インターネットを通じた域外的証拠収集-執行管轄権との関係を中心に(上)2022

    • 著者名/発表者名
      横溝大
    • 雑誌名

      法曹時報

      巻: 74 (8) ページ: 1, 13

  • [雑誌論文] インターネットを通じた域外的証拠収集-執行管轄権との関係を中心に(下)2022

    • 著者名/発表者名
      横溝大
    • 雑誌名

      法曹時報

      巻: 74(9) ページ: 1, 14

  • [雑誌論文] 属地主義の原則を根拠に国外サーバからのファイル送信行為が特許権侵害に当たらないとした事例 東京地判令和4・3・242022

    • 著者名/発表者名
      横溝大
    • 雑誌名

      有斐閣Online

      巻: ID: L2209010 ページ: 1, 3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 理由提示の現代的意義と課題(2)2022

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98(4) ページ: 103, 123

  • [雑誌論文] 理由提示の現代的意義と課題(3・完)2022

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98(6) ページ: 101, 125

  • [雑誌論文] 行政法学から見た国家管轄権論2022

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 雑誌名

      行政法研究

      巻: 44 ページ: 33, 59

  • [雑誌論文] 警察官が日本国外に所在する蓋然性がある記録媒体にリモートアクセスをして個々の電磁的記録につき内容を確認せずに複写するなどして収集した証拠について証拠能力が肯定された事例2022

    • 著者名/発表者名
      成瀬 剛
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1577 ページ: 160, 165

  • [雑誌論文] 我が国裁判所におけるイスラム金融をめぐる国際民事紛争の解決2022

    • 著者名/発表者名
      加藤紫帆
    • 雑誌名

      法学会雑誌(東京都立大学)

      巻: 63(1) ページ: 231, 265

  • [雑誌論文] 判例研究 ニュージーランド人夫及び日本人妻と妻の非嫡出子との養子縁組2022

    • 著者名/発表者名
      加藤紫帆
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1575 ページ: 159, 162

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 国際裁判管轄の判断において不法行為の一体性について判断した事例―東京地判令和4・3・232022

    • 著者名/発表者名
      加藤紫帆
    • 雑誌名

      有斐閣Online

      巻: ID: L2210012 ページ: 1, 3

  • [雑誌論文] 座長コメント ボーダーレス経済の深化 : 国際協調と私人の役割2022

    • 著者名/発表者名
      増田史子
    • 雑誌名

      日本国際経済法学会年報

      巻: 31 ページ: 55, 61

  • [雑誌論文] プラットフォームとインフラストラクチャーをめぐる法の一般原則(上)―「法の下の平等」の私法的基礎づけを含めて2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 90(5) ページ: 80, 83

  • [雑誌論文] 国際課税の地殻変動2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      租税法研究

      巻: 50 ページ: 17, 33

  • [雑誌論文] プラットフォームとインフラストラクチャーをめぐる法の一般原則(中)―「法の下の平等」の私法的基礎づけを含めて2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 90(6) ページ: 74, 78

  • [雑誌論文] プラットフォームとインフラストラクチャーをめぐる法の一般原則(下・1)―「法の下の平等」の私法的基礎づけを含めて2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 90(8) ページ: 102, 106

  • [雑誌論文] プラットフォームとインフラストラクチャーをめぐる法の一般原則(下・2)―「法の下の平等」の私法的基礎づけを含めて2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 90(9) ページ: 112, 120

  • [雑誌論文] 公益の実現における私人の役割: 実体法と手続法2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 90(10) ページ: 108, 111

  • [雑誌論文] 紹介「Will Bateman, Public Finance and Parliamentary Constitutionalism」2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 雑誌名

      国家学会雑誌

      巻: 135(9=10) ページ: 809, 811

  • [雑誌論文] リモートアクセス捜査と国家管轄権 最高裁令和3年2月1日第二小法廷決定2022

    • 著者名/発表者名
      竹内真理
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1570 ページ: 248, 249

  • [雑誌論文] 取引の対象としての商標 ー商標の機能を考える手がかりとして2022

    • 著者名/発表者名
      渕 麻依子
    • 雑誌名

      神戸法學雜誌

      巻: 72(3) ページ: 33, 55

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 現代における利益供与規制の意義2022

    • 著者名/発表者名
      松中学=邉英基
    • 雑誌名

      旬刊商事法務

      巻: 2307 ページ: 134, 155

  • [学会発表] デジタルプラットフォームにおけるオンライン紛争解決手続(ODR)について2022

    • 著者名/発表者名
      横溝大
    • 学会等名
      国際法学会 2022年度第125年次)研究大会
  • [学会発表] 公共紛争解決の基礎理論2022

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 学会等名
      関西経済法研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] コメント 訴訟類型の多様化と個別行政法2022

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 学会等名
      訴訟類型の多様化と個別行政法シンポジウム
  • [学会発表] EUと地方自治―情報法を素材として2022

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 学会等名
      一橋EU法研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Islamic Finance and Choice of Law in the Conflict of Laws of Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Shiho Kato
    • 学会等名
      APILA (Asian Private International Law Academy) Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 訴訟手続上の困難──とりわけ請求の実現に関するデジタルプラットフォームへの命令を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      加藤紫帆
    • 学会等名
      国際法学会 2022年度第125年次)研究大会
  • [学会発表] 判例研究 東京家審令和3・1・27(ニュージーランド人夫及び日本人妻の夫婦と妻の非嫡出子との養子縁組)2022

    • 著者名/発表者名
      加藤紫帆
    • 学会等名
      渉外判例研究会
  • [学会発表] 我が国裁判所におけるイスラム金融をめぐる国際民事紛争の解決2022

    • 著者名/発表者名
      加藤紫帆
    • 学会等名
      関西国際私法研究会
  • [学会発表] デジタルプラットフォーム法の態様2022

    • 著者名/発表者名
      増田史子
    • 学会等名
      国際法学会 2022年度第125年次)研究大会
  • [学会発表] Emulating Brussels? : EU’s Extraterritorial Regulation as a Precedent for Asian States2022

    • 著者名/発表者名
      Mari Takeuchi
    • 学会等名
      ETEE Conference held at Kobe University
    • 国際学会
  • [学会発表] 知的財産権侵害とデジタルプラットフォーム―プロバイダの責任に関する国際的動向2022

    • 著者名/発表者名
      渕麻依子
    • 学会等名
      国際法学会 2022年度第125年次)研究大会
  • [学会発表] プラットフォームとインフラストラクチャーをめぐる法の一般原則:「法の下の平等」の私法的基礎づけを含めて2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 学会等名
      GDPG科研DPの捉え方チーム研究会
  • [学会発表] プラットフォームとインフラストラクチャーをめぐる法の一般原則:問題意識を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      渕圭吾
    • 学会等名
      プラットフォームビジネス研究会
  • [図書] 現代実定法入門 人と法と社会をつなぐ[第3版]2023

    • 著者名/発表者名
      原田大樹
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      978-4-335-35922-4
  • [図書] 新しい土地法2022

    • 著者名/発表者名
      秋山靖浩編
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52640-2
  • [図書] 災害法2022

    • 著者名/発表者名
      大橋洋一編
    • 総ページ数
      398
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      978-4-641-22873-3
  • [図書] 行政法の基礎理論2022

    • 著者名/発表者名
      太田匡彦=山本隆司編
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52710-2
  • [備考] GDPG科研:Global Digital Platform Governance

    • URL

      https://gdpg.law.nagoya-u.ac.jp/

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公開日: 2024-12-25  

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