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2022 年度 実績報告書

「右」と「左」のポピュリズム:グローバル比較分析によるポピュリズム研究の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 21H04386
研究機関千葉大学

研究代表者

水島 治郎  千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30309413)

研究分担者 中北 浩爾  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (30272412)
西山 隆行  成蹊大学, 法学部, 教授 (30388756)
野田 昌吾  大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (50275236)
古賀 光生  中央大学, 法学部, 准教授 (50645752)
今井 貴子 (小関貴子)  成蹊大学, 法学部, 教授 (60552859)
作内 由子  獨協大学, 法学部, 准教授 (60631413)
伊藤 武  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70302784)
上谷 直克  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ガバナンス研究グループ, 研究グループ長代理 (80450542)
中山 洋平  東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90242065)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
キーワードポピュリズム / 格差 / ドナルド・トランプ / グローバリゼーション
研究実績の概要

2022年度は、以前として新型コロナウィルスの影響が残り、当初計画していた参加メンバーによる海外渡航と実地調査による資料収集は進まなかったものの、他方で国内における研究活動はほぼ通常に復してきた感があり、オンラインを含め、多様な成果をあげることができた。まずはアメリカ大統領選挙関係である。周知のようにトランプ元大統領の影響力は依然としてアメリカ政治に影を落としており、2022年秋の中間選挙は一時は共和党の大勝という予測もあり、アメリカ政治のポピュリズムの展開には強い関心が集まった。そこで本科研においては、アメリカ政治とポピュリズムをめぐる検討会を実施したのみならず、同時通訳を用いた国際オンラインセミナーを開催し、日米両国を代表するアメリカ政治研究者に登壇いただき、中間選挙を糸口とするアメリカ政治の歴史的文脈についてご講演いただき、討論を行った。参加者は130名に及び、日米欧はもちろん、メキシコなどのラテンアメリカからの参加と質問があり、研究者・一般市民はもとより著名なジャーナリストも参加し、関心の高さを示すものとなった。次に、ポピュリズムと新型コロナウィルスの影響についても検討を進め、英文論文をまとめ、刊行に道筋をつけることができた。そもそもポピュリスト指導者は、概して新型コロナウィルスの影響を軽視し、科学的知見に耳を傾けない傾向があり、トランプ大統領の落選など打撃を受ける傾向にあるが、野党のポピュリストは政権のコロナ対策批判で支持を伸ばす例もある。これらの比較分析を行ったことで、コロナと政治の関係を理解する重要な材料を提供できたと考えている。また、本科研の成果を日本語で発信すべく、出版社側の内諾をいただき、論集刊行について大まかな流れをつけることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

前述のように、本年度は国際オンラインセミナーの開催に成功し、しかも内外の多数の参加者を得て社会的インパクトのある事業を行うことができたこと、本科研の成果公開について、国内の有力出版社が論集出版に強い意欲を示し、その方向で準備が着々と進んでいることから、当初の計画以上に進展しているといえよう。

今後の研究の推進方策

今後の推進方策としては、以下の諸点がある
1.国際発信の強化。すでに英文論文の執筆を進め、当該論文は国際的に著名な学術出版社から刊行予定の論集に所収される予定であるが、さらなる多様な媒体における英文刊行を進めたい。
2.研究成果の学術的・社会的なインパクトを目指し、論集刊行を通じた成果発信を強化するととともに、オンラインセミナーを通じた、関心のある多様な層に訴求する成果の公開、議論の喚起を図りたい。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (6件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 「革命」第二幕―2017・22年フランス選挙の歴史的位置2023

    • 著者名/発表者名
      中山洋平
    • 雑誌名

      『歴史学研究』

      巻: 1032 ページ: 14-24

  • [雑誌論文] 統合懐疑主義の限界?イタリア世論におけるEUと自由貿易支持の検証2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 武
    • 雑誌名

      日本EU学会年報

      巻: 43 ページ: 158-179

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] パスカル・ペリノーのポピュリズム論:覚え書き2023

    • 著者名/発表者名
      土倉莞爾
    • 雑誌名

      関西大学 法学論集

      巻: 72 ページ: 1-37

  • [雑誌論文] Multi-Dimensional Dynamics of Psychological Health Disparities under the COVID-19 in Japan: Fairness/Justice in Socio-Economic and Ethico-Political Factors2022

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Masaya、Ishido Hikari、Mizushima Jiro、Ishikawa Hirotaka
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 19 ページ: 16437~16437

    • DOI

      10.3390/ijerph192416437

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 都市改革の夢-サムエル・サルファーティの「約束の地」2022

    • 著者名/発表者名
      水島治郎
    • 雑誌名

      みすず

      巻: 64 ページ: 24-33

  • [雑誌論文] 対立の克服と修復に向けて 分断社会の困難と希望2022

    • 著者名/発表者名
      水島治郎
    • 雑誌名

      Voters

      巻: 69 ページ: 19-21

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] イタリア「極右・女性首相の誕生」をめぐる狂騒曲2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 武
    • 雑誌名

      世界

      巻: 964 ページ: 220-228

  • [雑誌論文] イタリア 右派メローニ政権の「堅実路線」2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 武
    • 雑誌名

      外交

      巻: 76 ページ: 128-133

  • [雑誌論文] [書評]ディヴィッド・ガーランド著 小田透訳『福祉国家:救貧法の時代からポスト工業社会へ』(白水社,2021年)2022

    • 著者名/発表者名
      土倉莞爾
    • 雑誌名

      関西大学 法学論集

      巻: 72 ページ: 151-183

  • [雑誌論文] EU離脱後のイギリスー重層化する分断と試2022

    • 著者名/発表者名
      今井貴子
    • 雑誌名

      新潮社 Foresight

      巻: Web公開 ページ: 0-0

    • オープンアクセス
  • [学会発表] アメリカ政治のいま:2022年中間選挙と民主政治・ポピュリズム2022

    • 著者名/発表者名
      西山隆行、古矢旬、James A. Morone
    • 学会等名
      基盤研究(A)「『右』と『左』のポピュリズム」主催、千葉大学国際高等研究基幹研究支援プログラム「公正社会研究の新展開」共催 国際シンポジウム
    • 国際学会
  • [学会発表] 参議院民主党の利益表出機能と政策選好の独自性――下野後民主党の左傾化・党分裂の一因として2022

    • 著者名/発表者名
      高宮秀典
    • 学会等名
      日本政治学会2022年度研究大会
  • [図書] 図録 政治学2023

    • 著者名/発表者名
      西山 隆行、向井 洋子
    • 総ページ数
      146
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      4335359411
  • [図書] 〈分断〉と憲法2022

    • 著者名/発表者名
      新井 誠、友次 晋介、横大道 聡 (西山隆行 共著)
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      4335359098
  • [図書] 現代ホンジュラスを知るための55章2022

    • 著者名/発表者名
      中原 篤史 (上谷直克 共著)
    • 総ページ数
      324
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750354170
  • [図書] よくわかる比較政治学2022

    • 著者名/発表者名
      岩崎 正洋、松尾 秀哉、岩坂 将充 (伊藤武、水島治郎 共著)
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623094646
  • [図書] 平等と効率の福祉革命2022

    • 著者名/発表者名
      イエスタ・エスピン=アンデルセン、大沢 真理(今井貴子 共訳)
    • 総ページ数
      426
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784006004514
  • [図書] 日本共産党2022

    • 著者名/発表者名
      中北 浩爾
    • 総ページ数
      456
    • 出版者
      中央公論新社
    • ISBN
      9784121026958
  • [備考] 国際研究セミナー「アメリカ政治のいま:2022年中間選挙と民主政治・ポピュリズム」

    • URL

      http://www.shd.chiba-u.jp/kousei/symposium.html

  • [学会・シンポジウム開催] 国際研究セミナー:アメリカ政治のいま:2022年中間選挙と民主政治・ポピュリズム2022

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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