研究課題/領域番号 |
21H04394
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
安田 行宏 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (10349524)
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研究分担者 |
安武 妙子 創価大学, 経済学部, 准教授 (00737314)
小西 大 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20266555)
文 敏鳴 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (30792931)
顔 菊馨 国士舘大学, 経営学部, 助教 (30869780)
金 鉉玉 東京経済大学, 経営学部, 教授 (40547270)
柳瀬 典由 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (50366168)
服部 正純 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60768349)
白須 洋子 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80508218)
齋藤 巡友 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (80803585)
藤谷 涼佑 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (90880849)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | 経済政策の不確実性 / ショートターミズム / リスクテイク / 投資決定 / 現金保有 / ESG投資 / 資本構成 / ペイアウト政策 |
研究実績の概要 |
本研究は、2000年代以降に積極的に行われてきた一連の「コーポレート・ガバナンス改革」を分析視角として、例えば低迷する投資、現金保有の高まりなど、日本企業における財務特性に関する幅広い実証的知見の蓄積を行うことを目的としている。 2021年度の実績としては、まず、経済政策の不確実性(以下、EPU)が企業の財務的な意思決定にどのように影響を与えるかという分析に関して、EPUが投資と現金保有にどのような影響を与えるかについて検証した論文を執筆し、英文のワーキングペーパーとしてまとめ、そのエッセンスについては日本経済新聞の経済教室に寄稿した。次に、EPUが会計的発生高に対してどのような影響を与えるかの分析を行った論文が査読付きの英文雑誌に掲載された。これはガバナンスの観点から銀行やアナリストの役割といった視点を導入して分析した論文である。また、上場企業と非上場の公開企業の違いを利用した会計発生高に対するショートターミズムの影響については、以前執筆したワーキングペーパーをもとに、分析の精緻化を行い投稿に向けて改定作業を続けている。 ESG投資の観点からは、特にSの視点から、健康経営銘柄の企業価値に与えるインパクトについて分析した論文を投稿し、査読付き英文雑誌に掲載された。資本構成に関しては日本企業間の類似性の観点から分析を行い、英文のワーキングペーパーとしてまとめ、査読付きの英文雑誌に投稿した。ペイアウト政策に関しては、議決権行使の影響の観点から分析を行った段階にあり、海外学会の発表の投稿を行っている。 プロジェクトメンバーによる退職給付と企業のリスクシフトの論文、CSRと長期パフォーマンスに関する論文が英文付き査読誌に公表された。プロジェクトメンバー各自のテーマに基づく分析について、雑誌論文や学会などで公表されるとともに、いくつかの論文は英文査読誌に投稿している段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、新規に購入したデータの整備を進めながら、分析可能になった各テーマについて分析を行いワーキング・ペーパーを作成し、一定水準の準備ができた論文から学会発表を行う予定であった。このうち、グローバル・データの購入手続きについて、コロナ禍が原因で遅延し、作業の開始が年度の後半からスタートしたため、データセットの構築が当初の計画よりも遅れている。また、海外学会の発表を行う予定であったが、こちらもコロナ禍により、中止・延期が続いていた。これにより、学会等での報告とそのフィードバックを得る機会をほとんど得られなかった。一方で、プロジェクトメンバーがそれぞれ分析を行い、そのうちの一部の成果については発表することができた。しかしながら、全体として作業の遅れと、学会発表等を通じたフィードバックを得られていないという点を勘案し、全体的にやや遅れているという状況にあると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
EPUに関する論文などは査読付きの英文雑誌に投稿しており、その査読結果に基づき改訂作業を継続し、再投稿を順次行う予定で想定している。ショートターミズムに関する論文は、最終稿の改訂作業の準備が整い次第、査読付きの英文雑誌に投稿予定である。グローバルデータや、追加で購入した財務関連の新規データについては、引き続きデータの整備を行いながら、いくつかのパイロットテストを開始し、具体的なリサーチクエスチョンの絞り込みを行う想定である。その上で、データ整備が完了次第、財務特性に関する各テーマについて分析を行い、得られた知見に基づき論文として執筆する想定である。これらの論文については、学会・研究会等に積極的に申込み、報告を行う予定である。そこで得られたコメントを踏まえ改訂作業を行い、順次、日本語・英文査読雑誌への投稿を行って行く予定である。
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