研究課題/領域番号 |
21H04412
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 泰之 名古屋大学, 教養教育院, 教授 (70273208)
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研究分担者 |
川添 充 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (10295735)
吉冨 賢太郎 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 准教授 (10305609)
樋口 三郎 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (70272474)
宮崎 佳典 静岡大学, 情報学部, 教授 (00308701)
福井 哲夫 武庫川女子大学, 社会情報学部, 教授 (70218890)
白井 詩沙香 大阪大学, サイバーメディアセンター, 講師 (30757430)
谷口 哲也 日本大学, 医学部, 准教授 (10383556)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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キーワード | 数学eラーニング / 数式自動採点 / 誤答分析 / 理解過程 / 解答過程分析 |
研究実績の概要 |
数式処理と連動し、数式で入力された解答の自動採点システムが普及しつつあり、理数系のeラーニングにも様々な可能性が出てきているが、その運用は担当者の経験に基づいて模索が続けられている。本研究では、数式自動採点システムの利用を核とした理数系e ラーニングを始めようとする教員がよりどころとすることのできる、理数系e ラーニングの運用モデルの構築を目的とする。その目的達成のため、どのような誤答を経て正答に到達したのかに着目した(I)詳細な解答過程の「分析」により学習者の理解過程を明らかにし、その基盤の上で、到達目標達成のための適切な(II)理数系eラーニングの授業「設計」、および(III)効率的な「運用」の実現の3項目について総合的に取り組む。研究期間を3段階のフェーズに分け、2023年度は主に次の内容について取り組んだ。 解答過程を解析するための方法論を確立し、学習者の理解過程を明らかにすることを目的として、理数系eラーニングシステムとして、STACKを用い、その数式解答処理機構であるポテンシャル・レスポンス・ツリー(PRT)を活用した解答過程解析手法の確立に取り組んだ。主な成果としては、STACKの解答データをPRTを利用して、知識マップ、ネットワーク、誤答と正答間の距離の概念の導入、などを用いた、解答過程を可視化するための手法を提案した。 STACKの解答提出の際、デジタルペン入力による手書きノートを提出することのできるプラグインを用いて、データ収集のための被験者実験を行い、ノートのログデータ、具体的には、タイムスタンプ情報が付された手書きのストロークデータを利用し、学習者の学習特性(筆記速度、書き直し頻度、筆記停滞箇所の多寡など)を可視化し、そのデータから解答の自信度の推定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、数式自動採点システムの解答データを元に、解答過程の分析を行ってきたが、本来、2023年度後半から、それを用いて、理数系eラーニングの設計を検討することを計画していたが、それに着手できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
1. 問題作成エディタの開発。STACKの問題を開発するにあたっては、独自の編集が必要となる。その際、STACK独自のCASTextという形式、また、LaTeX形式が混在し、STACK利用初心者には問題作成のハードルが高いと考えられる。本研究課題の一つである、理数系eラーニングシステムの運用面の課題を解決するために、問題作成支援のためのエディタを開発する。 2. オンラインテスト問題の蓄積。我々は、MathbankというSTACK用の問題を蓄積する仕組みをすでに構築している。このコンテンツをさらに充実させ、その際、数学eラーニングコンテンツの標準仕様であるMeLQSに準拠した問題の蓄積を計画している。 3. 問題文をどのように読み、計算をどのように進めていくかについて、受験者の視線情報をもとに、思考過程の分析につなげたい。中村は、STACKの解答提出時にデジタルペンによる計算ノートを提出することのできる機能を新しいプラグインとしてすでに実装済みである。データ収集のための被験者実験を実施しながら、デジタルペンによる手書きノートの学習データの分析とともに、視線データを加味した分析法の探究を行っていく。具体的には、タイムスタンプ情報が付された手書きのストロークデータを利用すると同時に、視線の停留箇所、視線軌跡データから特徴量を抽出することを検討している。
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