研究課題/領域番号 |
21H04418
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
熊崎 博一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (70445336)
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研究分担者 |
松本 吉央 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (00314534)
吉川 雄一郎 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (60418530)
吉村 優子 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70597070)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / ロボット / オンライン授業 / 感情 |
研究実績の概要 |
本年度は、小学校1年生、3年生、5年生の教室にロボットを長期間設置し、授業中の子どもたちの集中力、子どもたち同士の交流、ロボットへの関心度の時間的経過について調査した。研究代表者と研究分担者、研究協力者が、生徒がロボットとインタラクションした際の快不快、覚醒度、従事について評価した。さらにロボットのノンバーバルな設定を変更することで生徒の快不快、覚醒度、従事がどのように変化するかについても併せて評価した。また前年度に続いて実際のオンライン授業の画面上にロボットを導入することで生徒の授業への関心、モチベーションがどのように変化するかも調査を行った。 実際のロボットをディスプレイ上に映すことと、ディスプレイ上のロボットと同じ自由度のCGを比較してそれぞれのメリット、デメリットを比較した。実際のロボットとディスプレイ上のCGでは、自閉スペクトラム症者の集中力、インタラクション時のモチベーション、CG、及び実験中におけるロボットとの距離感が異なっていた。また会話の内容により、好みが変化することが分かった。ロボットにおいては、自閉スペクトラム症者の感覚過敏、感覚探求といった項目により、動きの大きいロボットを好む群と、動きの小さいロボットを好む群に2群に分かれることが分かった。ディスプレイ上のロボットにおいても動きの大きいロボットを好む群と、動きの小さいロボットを好む群に2群に分かれたが、こちらについては、2群に分ける因子が同定できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな課題が見つかったが、研究は予定通り行えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在まで構築したデータベース、蓄積した知見を基に、ASD児の特性情報、及び視覚音声情報から個々の児にとってチューターCommU、ピアCommUのどういった設定が授業への持続的な集中を促す上で最適かを同定し、個々に最適なそれぞれのCommUの行動表出(声掛け・動作・表情)及び連携についてモデル化する。その結果から特徴的な要素を検出し、オンライン授業において集中力を高める、個々のASD児データに対応した両CommUの行動表出及び連携の設定を自動調整できるようにプログラムを開発する。
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