研究課題/領域番号 |
21H04433
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小薗 英雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00195728)
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研究分担者 |
三浦 英之 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (20431497)
前川 泰則 京都大学, 理学研究科, 教授 (70507954)
隠居 良行 東京工業大学, 理学院, 教授 (80243913)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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キーワード | Hodge分解 / 調和ベクトル場 / Betti数 / 外部Dirichlet問題 |
研究実績の概要 |
3次元Euclid 空間内の滑らかなコンパクトな曲面を境界に持つ外部領域上において,L^r-ベクトル場のde Rham-Hodge-Kodaira 型分解定理を考察した.ベクトル場の境界条件は,境界に接するものと直交するものの2種類である.まず最初に,これらの境界条件を満たす調和ベクトル場の空間が,共に有限次元であることを示した.この事実は扱う領域が非有界であることから,通常の楕円型偏微分方程式系境界値問題に付随する核空間の有限次元性から従うものではない.ここでは,ベクトル場がL^r という弱い意味で無限遠方で減衰することに注目し,ある種のコンパクト性が回復されることを示すことによって,有限次元性が従うことを証明した.更に,外部領域の境界の位相幾何学的不変量に着目してL^r調和ベクトル場の次元を特徴付けた.実際,内部領域における第1及び第2Betti数に相当する概念を導入し,ベクトル場が境界の接ベクトルと平行の場合は,第2Betti数がL^r調和ベクトル場の次元と一致し,1<r<∞に依存しないことを示した.一方.ベクトル場が境界の法線ベクトルと平行の場合,つまり接ベクトルと直交するという境界条件下では,3/2< r のときL^r調和ベクトル場の次元は,第1Betti数と一致するが,1< r ≦3/2のときは,それよりも1次元程少なくないことを証明した.これは,de Rham-Hodge-Kodaira 型分解定理におけるスカラーポテンシャルの決定が,Poission方程式の外部Dirichlet問題を一階偏導関数がL^r-可積分というクラスで論じるとき,r=3/2を閾値として可解性が大きく異なることに起因していることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
査読付き研究論文の出版数,国際研究集会における招待講演数から概ね順調に研究を推進していると評価される.
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今後の研究の推進方策 |
バナッハ空間における最大正則性定理はこの四半世紀における関数解析学の金字塔である. 様々な関数空間を選択してナビエ・ストークス方程式の適切性を考察する.とくに解析的な解が存在するための初期値の必要十分条件をバナッハ空間のスケールによって特徴付ける.更に,空間および時間変数に関する解の解析性の問題を取り扱う.また粘性流のナビエ・ストークス方程式, 完全流のオイラー方程式,境界層のプラントル方程式の3つの方程式の解の粘性に関する依存度を関数解析的な手法を用いて考察する.更に,エネルギー散逸率のレイノルズ数無限大の極限値や乱流の統計理論でよく用いられるエネルギースペクトルの指数について,非線形偏微分方程式の手法を駆使して厳密な数学解析を遂行する.
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