研究課題
基盤研究(A)
光誘起の問題点は、温度上昇で、温度変化による相転移も引き起こす、相転移過程と回復過程が温度変化によって複雑化し、高速制御が難しくなる。応募者らはすでに、電場方向に対してバンドを傾け相転移を起こすアイデアで、高速のモット絶縁体-金属転移を実証しており、光誘起相転移の研究をさらに高電場化し(4MV/cm以上)、強相関物質系における新しい機構による電磁場誘起超高速相転移の解明を目指すものである。
モット絶縁体やマルチフェロイクス等の強相関物質に透明領域において大きな電場(磁場)に達するテラヘルツ、中赤外パルスを照射し、量子トンネル過程による絶縁体-金属転移、分子間電子移動による常誘電-強誘電転移等を実現する。電子の電荷やスピンの集団運動を誘起し機能性を持つ量子相転移の実現を狙う試みは新規性があり高く評価できる。