• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

共振器内蔵ナノ光ファイバを駆使した高輝度単一光子源の創成

研究課題

研究課題/領域番号 21H04444
研究機関京都大学

研究代表者

竹内 繁樹  京都大学, 工学研究科, 教授 (80321959)

研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2024-03-31
キーワード単一光子 / ナノ光ファイバ / ダイヤモンド / 量子情報
研究実績の概要

令和3年度は、平均粒径25nmのナノダイヤモンドを分散させた状態で、Siイオン照射する方法で作成したサンプルにおいて、光子の時間相関関数 g2(τ)の測定により、単一のSiVを含有するナノダイヤモンドを確認した。また低振動無冷媒光学クライオスタットを導入し、評価用の光学系の構築にも成功した。令和4年度および令和5年度の延長計画では、「A. NFBC-SiVハイブリッド単一光子源の構築」、「B. SiV単一光子源の評価」、および「C. ハイブリッド単一光子源の電磁界解析」の3項目について研究を進めた。
項目Aに関しては、昨年度構築した、共焦点顕微鏡系とAFMを組み合わせた実験装置を用いて、第一段階として単一SiV内包ナノダイヤモンドのテーパー光ファイバへの結合を試み成功した。
項目Bに関しては、低振動無冷媒光学クライオスタットを用いた、SiV単一光子源の評価光 学系、ならびに液体ヘリウムにより冷却を行うクライオスタットを用いた光学系により研究を進めた。前者の光学系では、共鳴励起用光学系の構築を引き続き行った。後者の光学系を用いて、令和3年度に開発したSiV内包ナノダイヤモンドの極低温での評価を行った。その結果、同時計数測定によりg2(0)=0.19を観測し、単一SiVからの発光を確認、特徴的な発光ピークの分裂を観測した。さらに、温度4Kにおいて観測された半値全幅は分光器の分解能限界(0.09 nm)以下であり、高いコヒーレンスが期待できることを確認した。さらに、温度依存性の測定を行い、SiV中心からの発光と解釈して矛盾がないことも確認した。
項目Cに関しては、NFBCに張力を加えた際の共鳴周波数変化を数値解析により明らかにした(Opt. Exp. 31, 13566 (2023))。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和3年度は、平均粒径25nmのナノダイヤモンドを分散させた状態で、Siイオン照射する方法で作成したサンプルにおいて、光子の時間相関関数 g2(τ)の測定により、単一のSiVを含有するナノダイヤモンドを確認した。また低振動無冷媒光学クライオスタットを導入し、評価用の光学系の構築にも成功した。令和4年度および令和5年度の延長計画では、「A. NFBC-SiVハイブリッド単一光子源の構築」、「B. SiV単一光子源の評価」、および「C. ハイブリッド単一光子源の電磁界解析」の3項目について研究を進めた。なお分光器等が、業者側での出荷時の検査で不合格となり令和4年中の納品が困難となったため、延長計画をお認め頂いた。
項目Aに関しては、共焦点顕微鏡系とAFMを組み合わせた実験装置を用いて、第一段階として単一SiV内包ナノダイヤモンドのテーパー光ファイバへの結合を試み成功した。
項目Bに関しては、低振動無冷媒光学クライオスタットを用いたSiV共鳴励起用光学系の構築を引き続き行った。また、液体ヘリウムにより冷却を行うクライオスタットを用いた光学系を用いて、令和3年度に開発したSiV内包ナノダイヤモンドの極低温での評価を行った。その結果、同時計数測定によりg2(0)=0.19を観測し、単一SiVからの発光を確認、特徴的な発光ピークの分裂を観測した。さらに、温度4Kにおいて観測された半値全幅は分光器の分解能限界(0.09 nm)以下であり、高いコヒーレンスが期待できることを確認した。さらに、温度依存性の測定を行い、SiV中心からの発光と解釈して矛盾がないことも確認した。
項目Cに関しては、NFBCに張力を加えた際の共鳴周波数変化を数値解析により明らかにし論文として発表した(Opt. Express 31, 13566(2023))。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として、令和5年度は、は、「A. NFBC-SiVハイブリッド単一光子源の構築」、「B. SiV単一光子源のコヒーレンス解析」「C. ハイブリッド単一光子源の結合効率評価」の3項目について研究を進めることを予定した。
項目Aに関しては、SiVの発光波長である737nmで共振するNFBCを作成、共焦点顕微鏡系とAFMを組み合わせた実験装置を用い、単一SiV内包ナノダイヤモンドを選択的にナノファイバブラッグ共振器への配置を行い、ハイブリッド単一光子源の構築を行うことを計画した。
項目Bに関しては、低振動無冷媒光学クライオスタットを用いた、SiV単一光子源の評価を引き続き実施する。SiV内包ナノダイヤモンドの、g2(τ)測定を、低温(7K程度)で実施、さらに、Photoluminescence excitation (PLE)を用いたコヒーレンス解析の実施を計画した。
また、項目Cに関しては、作成したハイブリッド単一光子源から発生する光子を光子計数装置などで測定し、光子の同一性や生成効率を評価することを計画した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial separation of collinearly emitted broadband frequency-correlated photon pairs2023

    • 著者名/発表者名
      Kamei Yuki、Bo Cao、Okamoto Ryo、Takeuchi Shigeki
    • 雑誌名

      Physical Review A

      巻: 107 ページ: L010601

    • DOI

      10.1103/PhysRevA.107.L010601

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Optimizing the coupling efficiency of spontaneous parametric down-conversion photon pairs into single-mode fibers2022

    • 著者名/発表者名
      Schwaller Nicolas、Park Geobae、Okamoto Ryo、Takeuchi Shigeki
    • 雑誌名

      Physical Review A

      巻: 106 ページ: 043719/1-8

    • DOI

      10.1103/PhysRevA.106.043719

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] イオン注入法を用いた極微ナノダイヤモンドへの単一SiVセンターの作製2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木和樹、嶋﨑幸之介、高島秀聡、阿部浩之、大島武、竹内繁樹
    • 学会等名
      第46回量子情報技術研究会(QIT46)
  • [学会発表] Creation of Sillicon Vacancy Center in Detonation Nanodiamonds by High Temperature Annealing2022

    • 著者名/発表者名
      K.Shimazaki, H.Kawaguchi, H.Takashima, T.Segawa, F.So, D.Terada, S.Onoda, T.Ohshima, M.Shirakawa and S.Takeuchi
    • 学会等名
      CLEO-PR2022/ISOM'22/ODF'22
    • 国際学会
  • [学会発表] 六方晶窒化ホウ素欠陥中心の単一光子源応用2022

    • 著者名/発表者名
      高島秀聡、田嶌俊之、S. Andreas, T T. Toan, A. Igor, 竹内繁樹
    • 学会等名
      2022年第83回応用物理学会秋季講演会
    • 招待講演
  • [図書] レーザー研究2022

    • 著者名/発表者名
      竹内繁樹
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      一般社団法人レーザー学会
  • [備考] 京都大学大学院工学研究科 竹内研究室

    • URL

      http://qip.kuee.kyoto-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi