研究課題
本研究課題では、様々な物理系で実現される物質量子系を光でつなぐ「量子インターネット」の中核となる「損失耐性のある量子測定」の基礎研究を行う。空間的に局在したスタティックな量子系である原子やイオン等の量子状態を伝搬する光を介して遠隔地に運び、別の量子系との間にエンタングルメントを形成する量子インターネットは量子暗号などのセキュリティ通信、クラウド量子計算や長基線望遠鏡といった様々な量子技術を実現する万能な量子ネットワークである。この量子インターネット研究において、今後重要な課題となるのが、量子状態を運ぶ光の損失の指数関数的増大の抑制である。これには、多重化された光の量子状態に対する効率的な一般化量子測定が必須であり、光ファイバー通信波長帯で動作する必要がある。本研究課題では、特に核となる量子測定を通信波長帯で実現することを目指している。このために、必要なリソースとなる通信波長帯のGHZ状態等の多光子エンタングルメント状態の生成に向けた研究を行ってきた。今年度は1560nmの短パルスレーザーの2倍波(780 nm)を励起光源としたパラメトリック変換を用いた通信波長帯の偏光エンタングル状態光源の低損失化による高効率化の研究を行った。偏光エンタングル光子対源としてタンデム 型 type-II疑似位相整合周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)導波路を設計し、単一光路で偏光エンタングル光子対の生成を可能にする構成を用いた。本光源を用いて、波長 1539 nm と波長 1582 nm の非縮退偏光エンタングル光子対を生成し高忠実度のエンタングルメントを得ることができた。さらに、多光子エンタングルメントの生成のための群速度補正等の手法を開発した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 8件、 招待講演 5件)
Optics Express
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10.1364/OE.494313
Physical Review A
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