研究課題/領域番号 |
21H04471
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
身内 賢太朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80362440)
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研究分担者 |
風間 慎吾 名古屋大学, 高等研究院(素粒子), 特任助教 (40736592)
伊部 昌宏 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (50599008)
中村 輝石 東北大学, 理学研究科, 助教 (80750463)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | 暗黒物質 / ミグダル効果 / マイクロTPC |
研究実績の概要 |
暗黒物質の直接探索実験は、2相式液体キセノンを用いた大質量検出器が数10GeV以上の質 量で制限を更新してきた。さらに2019年には、「ミダル効果」を用いることで、1GeV程度の低質量暗黒物質まで探索感度を伸ばした。ここで、ミグダル効果は理論的に計算されているが、実験的には未観測の現象である。つまり、今後キセノン検出器で低質量暗黒物質の探索、場合によっては発見の主張を行うためには、ミグダル効果の実証が必要不可欠となる。我々は独自の技術に基づく位置有感ガス検出器「マイクロTPC」を用いることで、ミグダル効果に特徴的な空間的情報を検出可能であることを考案 、中性子照射実験によってミグダル効果の観測について具体的なバックグラウンドを考慮した計算を行った。本提案では、この計算に基づいて、ミグダル効果の初観測を目指す。 ミグダル効果を観測するために、30cm角の位置有感ガス検出器「マイクロTPC」が必要である。2021年度には、30cm角実機の製作準備として30cm角のGEM及びTPCケージ、容器を製作した。また、これらを読み出すためのICの製作、対応する基板を製作した。産業技術総合研究所の中性子ビームを用いた試験を行い、主にビーム環境でのバックグラウンドをを測定した。このバックグラウンド(BG)測定の結果を活かして、2022年度にシールドの設計・試作を行い、マイクロTPCを用いた測定を開始する。 また、分担者の中村を中心として、キセノンガス中でのミグダル効果の観測に向けた基礎試験を進めた。XENONnT実験では、分担者の風間を中心として、XENON実験での暗黒物質探索を行った。分担者の伊部はミグダル効果を含んだ各種暗黒物質理論を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では、30cm角の位置有感ガス検出器「マイクロTPC」を用いたミグダル効果の観測を目的としている。 2021年度には、ミグダル効果観測に用いる30cm角マイクロTPC実機の製作準備として、30cm角のGEM及びTPC電場ケージ、容器を製作し、それらを組み合わせることが可能であることを確認した。また、これらを読み出すためのICの製作、対応する基板を製作した。さらに、本番の観測を予定している産業技術総合研究所の中性子ビームを用いたビーム試験を行い、主にシンチレータを用いてビーム環境でのバックグラウンドをを測定した。このバックグラウンド(BG)測定の結果を活かして、2022年度にシールドの設計・試作を行い、マイクロTPCを用いた測定を開始する。また、小型のマイクロTPCをビーム環境下で試運転し、問題の洗い出しを行った。これに関しても2022年度の実機組み上げに反映する。 また、分担者の中村を中心として、キセノンガス中でのミグダル効果の観測に向けた基礎試験を進めた。XENONnT実験では、分担者の風間を中心として、XENON実験での暗黒物質探索を行った。分担者の伊部はミグダル効果を含んだ各種暗黒物質理論を進めた。 上記の通り、研究は順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に推移しており、分担者との連絡を密にとりながら、予定通り研究を推進する。
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