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2022 年度 実績報告書

星・惑星形成過程における高エネルギー物理現象の探求

研究課題

研究課題/領域番号 21H04487
研究機関東北大学

研究代表者

富田 賢吾  東北大学, 理学研究科, 准教授 (70772367)

研究分担者 大平 豊  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40589347)
岩崎 一成  国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 助教 (50750379)
古家 健次  国立天文台, 科学研究部, 特任助教 (80783711)
高棹 真介  大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (90794727)
木村 成生  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20865795)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
キーワード星形成 / 原始惑星系円盤 / 宇宙線 / 磁気流体力学 / 数値シミュレーション
研究実績の概要

本研究では星形成過程・原始惑星系円盤において、非理想磁気流体効果や化学反応において重要となる宇宙線や高エネルギー光子による電離過程を取り入れた新たなモデルを構築する。今年度は前年度に引き続いてコードの開発と星形成・原始惑星系円盤におけr宇宙線加速の理論モデルの構築を行った。
当初、宇宙線の伝播を解く手法として運動論方程式のゼロ次モーメントのみを解く拡散近似に基づく手法を選択したが、その後検討を重ね、1次モーメントまで解く手法に光速制限法を組み合わせた手法(Jiang & Oh 2018, Armillotta et al. 2021)の方が性能及び精度の両面で有利であることからこちらの手法に切り替えて、コードの開発を進めている。
我々のシミュレーション(Takasao et al. 2019)から、激しくガス降着を起こしている若い原始惑星系円盤では、星磁場と円盤磁場の磁気リコネクションにより、太陽フレアよりも何桁もエネルギーの高い原始星フレアが駆動されることが分かった。太陽ではフレアに伴って高エネルギーの宇宙線が加速されていることが知られている。そこで、太陽フレアでの宇宙線加速とそれに伴うガンマ線放射を再現するようなモデルを構築し、これを拡張して原始星フレアにおける宇宙線加速と高エネルギー放射の理論モデルを構築した。その結果、原始星フレアは原始惑星系円盤の形成と進化に影響を与えうる宇宙線源となりえることがわかった。この成果はKimura et al. 2023として出版した。
また、本研究で使うAthena++コードの新しい自己重力ソルバに関する論文(Tomida & Stone 2023, ApJS)を投稿し、受理された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

宇宙線伝播コード開発について、当初の計画から使用する手法を変更したが、このような検討はコード開発には不可避のものであり、大きな遅れとは考えていない。また、原始星フレアからの宇宙線及び高エネルギー放射の理論モデルを構築して論文として出版した。全体として概ね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

一次モーメント法に基づく宇宙線伝播コードを次年度内に完成させ、これを非理想磁気流体効果と組み合わせた星形成過程のシミュレーションを行う。並行して宇宙線粒子ソルバの開発を進め、ポストプロセスで宇宙線の分布をより精密に計算する手法を構築する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] Institute for Advanced Study/Princeton University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Institute for Advanced Study/Princeton University
  • [雑誌論文] Modeling Hadronic Gamma-Ray Emissions from Solar Flares and Prospects for Detecting Nonthermal Signatures from Protostars2023

    • 著者名/発表者名
      Kimura Shigeo S.、Takasao Shinsuke、Tomida Kengo
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 944 ページ: 192~192

    • DOI

      10.3847/1538-4357/acb649

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Interaction of a Relativistic Magnetized Collisionless Shock with a Dense Clump2022

    • 著者名/発表者名
      Tomita Sara、Ohira Yutaka、Kimura Shigeo S.、Tomida Kengo、Toma Kenji
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Letters

      巻: 936 ページ: L9~L9

    • DOI

      10.3847/2041-8213/ac88be

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Three-dimensional Simulations of Magnetospheric Accretion in a T Tauri Star: Accretion and Wind Structures Just Around the Star2022

    • 著者名/発表者名
      Takasao Shinsuke、Tomida Kengo、Iwasaki Kazunari、Suzuki Takeru K.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 941 ページ: 73~73

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ac9eb1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] High-energy phenomena in protoplanetary disks and their impacts on dynamics and chemistry2022

    • 著者名/発表者名
      Kengo Tomida
    • 学会等名
      From Clouds to Planets II
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] High-energy phenomena in protoplanetary disks2022

    • 著者名/発表者名
      Kengo Tomida
    • 学会等名
      IRCC-AFP Meeting 2022
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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